水槽で魚などの飼育をする場合、水温管理は非常に重要であり、夏場は高水温対策が必要になります。
熱帯魚の場合においても水温が30℃を超えるとダメージを受けて弱ってしまったり酸欠が起こりやすくなり、高水温が続くと全滅の恐れもあります。
そのため、水温が30℃を超えるような日が続く場合はエアコンで部屋を冷やすか、水槽用クーラーや冷却ファンを使用して水温を下げる必要があります。
冷却方法によりそれぞれ特徴や注意点がありますので、飼育する生体や水槽、部屋の環境に合わせて適切な冷却方法を選択するようにしましょう。
このページでは、水槽用冷却ファンによる水槽の高水温対策のメリットやデメリットについて詳しく解説し、逆サーモスタットを含めたおすすめの製品についても紹介していきます。
水槽用冷却ファンとは
水槽用冷却ファンとは、水面に風を当てて水の蒸発を促すことによって水槽の水温を下げる装置です。
水面に風を当てるだけで水温が下がる仕組みは、水が蒸発する際に必要なエネルギーである気化熱(蒸発熱)が関係しています。
液体が気体に変化する際にはエネルギーが必要であり、水が蒸発する際には周囲から熱エネルギーを奪って蒸発するので冷却作用が発生します。
水は周囲の湿度が高いほど蒸発しづらくなるので、水面付近に停滞している湿度の高い空気を水槽用冷却ファンで吹き飛ばすことによって水が蒸発しやすくなります。
お風呂から上がって扇風機の風を受けると体が冷たく感じるのを想像していただければ気化熱による冷却のイメージが分かりやすいと思います。
水槽用冷却ファンのメリット
水槽用冷却ファンのメリットは以下の通りです。
水温下げることができる
水槽用冷却ファンを使用すると、水槽のサイズや水量に対応している製品であれば、水温を2~4℃程度下げることが可能です。
水槽用冷却ファンは気化熱の原理を使用していますので、水温低下の程度は水の蒸発量に依存します。
水が蒸発しさえすれば冷却はされますので、密閉された水槽内に設置したり、部屋全体の湿度が著しく高いなどの特殊な場合を除いて、2℃程度はしっかりと安定して下げてくれる印象があります。
導入費用が安い
水槽用冷却ファンは水槽用クーラーと比較すると導入費用が安いです。
水槽用クーラーは最も安いものでも1万円程度であり、大きな水槽では数万円以上の初期費用がかかりますが、水槽用冷却ファンは千円台から数千円程度と比較的安く導入することが可能です。
各メーカーより様々な水槽用冷却ファンが販売されています。
電気代が安い
水槽用冷却ファンは風を発生させる扇風機のようなものなので、水槽用クーラーなどと比較すると消費電力が非常に小さく電気代も安いです。
消費電力は約1W程度から、大出力の製品でも最大10W程度であり、電気代をあまり気にせず使用できるのは大きなメリットです。
水槽用冷却ファンを常時使用していたとしても、5Wの製品の場合は1か月あたりの電気代が100円程度であり、気軽に導入できると思います。
設置が簡単
水槽用冷却ファンは、水槽の壁に引っ掛けたり、クリップやねじ止めをして設置します。
水槽用クーラーのように配管の接続や取り回しを考える必要がないので設置は簡単です。
配管で水を循環させる必要がないということは、水漏れのリスクもそれだけ減ることになりますし、手軽に導入することが可能です。
排熱による室温上昇がない
水槽用クーラーの場合は水槽を冷やす代わりに排熱があり、温かい空気が部屋に放出されるので室温が上昇します。
室温が上昇すると水槽を冷やすためのエネルギーもさらに必要になりますし、冷却効率も落ちていくので、水槽用クーラーを使用していて部屋の温度が高くなりすぎる場合にはエアコンも併用して室温を下げる必要があります。
一方水槽用冷却ファンの場合は、熱を水が蒸発するためのエネルギーとして使用するため、排熱がありません。
ファンを回すためにモーターは使用しているのでモーターからの発熱はあるものの、水槽や部屋に大きな影響を与えるような発熱はないです。
そのため、水槽用冷却ファンのみの使用であれば、室温が異常に上昇することはないので、水温・室温ともに問題が無ければ必ずしもエアコンを併用しなければならないというわけではありません。
水槽用冷却ファンのデメリット
水槽用冷却ファンのデメリットは以下の通りです。
冷やしすぎを防ぐためには逆サーモスタットが必要
水槽用冷却ファンは、送風により水の蒸発を促している間は常に水を冷却しています。
そのため、気温が下がって水温が低くなってもファンが稼働している場合にはさらに水温が下がって冷やしすぎてしまう可能性があります。
冷やしすぎを防ぐためには逆サーモスタットを使用するのがおすすめです。
逆サーモスタットは、水槽用ヒーターなどに使用されるサーモスタットとは逆に、水温がある温度以上になると通電し、その温度より低くなると停止してくれる装置です。
下の画像のように、電源(コンセント)→逆サーモスタット→水槽用冷却ファンの順に接続しておくと、設定温度以上の場合のみ冷却ファンが稼働するようになり、冷やしすぎの心配がなくなります。
連日暑い日が続いていても、特に季節の変わり目などでは朝の冷え込みなどが起こり、急激に気温が低下する場合もありますので、水槽用冷却ファンを使用する際には基本的に逆サーモスタットもセットで使用することをおすすめします。
各メーカーより様々な冷却ファン用逆サーモスタットが販売されています。
ファンの音がうるさい
水槽用冷却ファンはほとんどが小型のファンであり、送風量を確保するためにはその分モーターの回転数を上げる必要があるため、稼働時の音がどうしても発生します。
音の程度は製品によって違いはあるものの、大体の製品はうるさく感じます。
ただのファンなのでそれほどうるさくないと思って購入してみると、思った以上に音がするので驚かれる方も多いです。
特に寝室に設置する場合などでは注意が必要です。
対策としては、ファンの稼働時間を短くするとあまり気にならなくなります。
逆サーモスタットを使用して高水温時のみファンが作動するようにし、人がいる時間帯で室温が高すぎる場合にはエアコンも使用して室温を調整すると、水温上昇が抑えられてファンの稼働が少なくなります。
このようにすると、人がいる時間帯に関してはファンがたまにしか稼働しない状態になるので、音はほとんど気にならなくなります。
環境によっては冷却能力が十分でない場合もある
水槽用冷却ファンの気化熱による水の冷却は、水が蒸発さえしていれば強力な冷却作用がありますが、環境によっては冷却能力が十分でない場合もあります。
例えば90cm水槽や120cm水槽のような中・大型水槽などの場合は水面の面積が大きく、小型の水槽用冷却ファン1つのみでは、水面付近の湿度に富んだ空気を十分に吹き飛ばすことができません。
60cmワイド水槽や90cm規格水槽以上の水槽など、水深45cm程度以上の深い水槽の場合は、冷却が行われる水面の面積に対して水量が多くなるため、その場合も冷却能力が不足する場合があります。
大き目な水槽の場合には冷却ファンの対応水量を良く確認し、必要であれば複数台設置するなどの対策が必要になります。
また、水深が深い水槽でしっかりと冷却を行いたい場合には水槽用クーラーの使用を検討したほうが良いでしょう。
また、気化熱による冷却は周囲の湿度に大きな影響を受けます。
部屋全体の湿度が高い場合は送風していても水面付近の湿度があまり低くならず、水の蒸発が少なくなるので冷却の効率は落ちます。
部屋の湿度が高すぎる場合は換気を十分に行い、エアコンを併用するのも良いでしょう。
2~4℃程度を超える冷却はできない
水槽用冷却ファンは、2~4℃程度は安定して冷却することができますが、それを超えるような冷却は難しいです。
例えば真夏の室温が35度である場合、水槽を水槽用冷却ファンのみで25℃にするのは無理があります。
強力な冷却が必要な場合は水槽用クーラーを使用するか、エアコンの冷房で部屋の温度をあらかじめ少し下げておくなどの対策が必要になります。
飼育水の蒸発があるため足し水が必要
水槽用冷却ファンを使用すると、水の蒸発が促されるので飼育水がどんどん蒸発していき、水位が下がっていきます。
部屋の湿度や水面の面積、送風量などによっても変わりますが、60cm規格水槽で冷却ファンを使用した場合、1日で水深1cm分(1.8L)程度の水が蒸発することもあります。
このような場合には、1週間放置すれば単純計算で水深が7cm低下し、12.6Lもの水が蒸発して消えることになります。
飼育水が減れば魚が泳ぐスペースも減りますし、フィルターや濾過装置の設置状況によっては水位が低下すると上手く作動しなくなることも考えられます。
また、淡水水槽では大きな問題になることは少ないものの、飼育水中の気化しない成分については水が減った分濃縮され、生体に悪影響を及ぼす可能性があるため、蒸発により減った分の水は小まめに足し水を行って補充する必要があります。
海水水槽での使用には注意が必要
海水水槽でも水槽用冷却ファンを使用することは可能です。
私もクマノミやイソギンチャクなどを飼育している海水水槽で冷却ファンを使用していますが、全く問題なく使用できています。
ただし、海水水槽に対応している製品かどうかは事前に確認しておく必要があり、淡水専用となっている製品は使用しないようにしましょう。
海水水槽で水槽用冷却ファンを使用していると、送風口やファンなどに塩が付着することがありますので、小まめな点検とお手入れが必要になります。
また、海水水槽の場合には飼育水の蒸発によって塩分濃度が濃くなると、海水魚やサンゴ、イソギンチャク等に大きな影響を及ぼしますので小まめな足し水が必要になります。
また、海水水槽において蒸発により減った分の足し水は、海水ではなく真水で行う必要がありますので注意が必要です。
海水水槽で冷却ファンを使用する場合には特に、どのくらい水が減ったかが確認できるようにするために、水位線を付けたり高さの目印になりそうな場所を決めて、その高さまで水を入れるように習慣づけるようにしておくと良いでしょう。
また、一気に足し水をすると塩分濃度が大きく変化して生体に悪影響がありますので、できるだけ小まめに足し水を行うようにしましょう。
部屋の湿度上昇が起こる
水槽用冷却ファンによって水の蒸発が促されることは前項で紹介しましたが、それに伴い部屋の湿度の上昇も起こります。
小型水槽一つなどの場合は、そこまで大きな問題になることはありませんが、大きな水槽の場合や水槽をたくさん設置している場合には大量の水が蒸発して部屋の湿度が大きく上昇する場合があります。
その場合は、冷却ファンの冷却効率が低下して水槽の冷却が十分に行えなくなる可能性があるだけでなく、部屋でカビが発生する原因にもなりますので注意が必要です。
冷却ファンを使用する際には部屋の換気をしっかりと行い、エアコンを併用するなどの対策も非常に有効です。
水槽にフタをしにくい
水槽にフタをすると生体の飛び出しや水槽からの水はねを防止したり、蒸発した水の多くが液体に戻って水槽内に帰っていくので足し水の頻度を減らすことができます。
しかし、フタを設置してしまうと水面に送風することができなくなってしまうので、水槽上部にファンを設置するタイプの水槽用冷却ファンは使用することができません。
水槽壁に引っ掛けて水槽の横から空気を吸って風を送るタイプの、コトブキの「スポットファン」の場合は、下の画像のようにラップなどで水槽全体を覆ってしまっても乾燥した空気を送りこめるので、しっかりと水温を下げることができます。
夏場の水温上昇対策に効果的な冷却ファンです。
新発想の外掛けタイプでパワフルな冷却が可能です。
スポットファン104は小型水槽~40cm(水量26L以下)水槽用、スポットファン204は45~60cm(水量60L以下)水槽用です。
ただし、この方法では乾燥した空気を送り込み、湿った空気がどこからか出ていく状態でないと効果がありませんので、空気の流れを考える必要があり、完全密閉してしまうと冷却できなくなるので注意が必要です。
また、上の画像のようにラップをかけておくだけでも生体の飛び出しはある程度防ぐことができますが、ジャンプ力の強い魚や大きくてパワーがある魚の場合にはしっかりとしたフタを使用し、隙間を埋める必要がありますので、水槽用冷却ファンの使用が難しい場合もあります。
水槽用冷却ファンはどのような水槽に向いている?
水槽の高水温対策として、エアコンを使用するか、水槽用クーラーを使うか、冷却ファンを使用するか迷うこともあると思います。
ここでは水槽用冷却ファンを使用したほうが良いケースについて説明していきます。
コストを抑えたい場合
水槽用冷却ファンは、逆サーモスタットをセットで購入しても数千円程度であり、導入費用が非常に安いです。
また、電気代もそれほど高くなく維持費用も安いため、コストを抑えて水槽を冷却したい場合には、水槽用冷却ファンは非常に良い選択になります。
水槽用冷却ファンを取り付けるだけでも夏を乗り切れることは多いですが、高水温に弱い魚などを飼育する場合や部屋の室温が高すぎる場合には、エアコンや水槽用クーラーの使用も検討しましょう。
2~4℃程度の冷却で十分な場合
水槽用冷却ファンは2~4℃程度を超えるような強力な冷却は難しいですが、その程度の冷却のみで良い場合には導入費用や電気代も安く、気軽に設置できるので非常に良い選択になると思います。
例えば真夏でも部屋の気温が30度前後にしかならないような地域では、水槽用冷却ファンのみで水温を常時30度以下に抑えられることが多いです。
また、メダカや金魚などのある程度の高水温に耐性がある魚の場合は、水槽用冷却ファンで少し水温を下げてあげるだけでも夏を乗り越えることができることが多いです。
ただし、30度付近やそれ以上の高水温時には水中に溶け込むことのできる酸素の量(溶存酸素量)が減って酸欠を起こしやすくなりますので、エアレーションなどでしっかりと酸素の供給を行ったほうが良いでしょう。
また、気温については異常な猛暑や急な気温の上昇が起こらないとも限りませんので、水温をギリギリで管理するのではなく、できればエアコンを併用して室温が異常に上昇しないようにしておくのが良いでしょう。
エアコンを使用している状態でさらに冷却したい場合
エアコンで部屋全体を冷却している場合は、それに伴って水槽の水の温度も下がります。
その状態からさらに水温を下げたい場合にも水槽用冷却ファンは有用です。
水槽用冷却ファンがあるとエアコンの設定温度は28℃などの高めの設定でも水槽はさらに冷却されるので、部屋が寒くなりすぎずにしっかりと水槽を冷却することができます。
例えばエアコンが28℃設定の場合で、水温を25℃付近にしたい水槽がある場合などにも、その水槽に冷却ファンを付けておくと水温管理がしやすくなります。
エアコンを併用すると、除湿効果によって水槽用冷却ファンの冷却効率も高まるので非常に効果的です。
また、フィルターや濾過装置、水中ポンプや照明などの発熱がある機器を多く使用している水槽では、特に小型水槽の場合で水温が上昇しやすくなります。
例えば8リットル以下などの小型水槽で水中ポンプを使用している場合には水温が室温よりも2~4℃程度上昇することがあります。
このような場合は水槽用冷却ファンを使用すると、水温上昇を抑えることができますので、エアコンを使用している場合でも水槽用冷却ファンの使用は非常に有用です。
ただし、水槽用冷却ファンで冷却能力が不足している場合にはエアコンの設定温度を下げるか、水槽用クーラーを使用したほうが良いでしょう。
水槽用冷却ファンの使用がおすすめできない環境は?
手軽に設置ができて水槽を冷やすことができる水槽用冷却ファンですが、使用をおすすめできない場合もあります。
ここではそのようなシチュエーションを紹介します。
強力な冷却が必要な場合
渓流魚などの高水温が苦手な魚を飼育する場合などには、2~4℃程度の冷却しかすることができない冷却ファン単体では不安が残ります。
エアコンと水槽用冷却ファンを併用すればある程度までは水温を下げることができますが、20℃以下にしたい場合などではエアコンの設定温度もその付近まで下げる必要があり、部屋が寒くなりすぎるので人が生活するには現実的でなくなります。
このような場合では水槽用クーラーを使用するとしっかりと水温を下げることができます。
また、確実に水温を25℃以下にしたいなど、水温の上限をシビアに管理したい場合なども、水槽用冷却ファンではなく水槽用クーラーを使用したほうが確実性が高く、安心して水温管理をすることが可能です。
寝室などで使用する場合
水槽用冷却ファンが稼働している際はファンの回転音やモーター音がします。
思ったよりも大きい音がしますので、何も対策をしない場合は、寝室やリビングなどの静かにしておきたい場所の水槽に設置するのは避けたほうが無難です。
寝室などでやむなく冷却ファンを使用する場合には、逆サーモスタットで水温を設定し、人がいる時間や就寝時はエアコンで冷却ファンの稼働水温以下となるようにしておけば、その間は稼働しないので騒音は気にせずに設置することができます。
ただし、エアコン稼働時と非稼働時の室温の差が大きすぎる場合は水温の変化が急激になり、生体にとってはストレスになりますので、このような場合は設定温度は多少高めでも良いのでできるだけ24時間エアコンをつけておくのが望ましいです。
飛び出しやすい魚を飼育する場合
水槽用冷却ファンを使用していると水槽にフタをすることが難しくなりますので、魚やエビなどの飛び出しのリスクが高くなります。
特にドジョウやスネークヘッドなどの細長い魚は数十センチ以上飛ぶこともあるので、フタがないと飼育はできません。
水槽壁に引っ掛けて水槽の横から空気を吸って風を送るタイプの、コトブキの「スポットファン」の場合は、送風口のみを空けたフタを使用しても冷却できると思いますが、隙間は完全に塞ぐ必要がありますし、大型の魚の場合はパワーもあるので使用はおすすめできません。
代わりに水槽用クーラーを使用する場合にも、飛び出しやすい魚を飼育する際にはフタと配管などの隙間はしっかりと埋めておき、外されないように対策をする必要があるので注意が必要です。
おすすめの水槽用冷却ファン・逆サーモスタット
水槽用冷却ファンや逆サーモスタットは様々な製品が販売されていますが、使用してみて最もおすすめの製品のみを紹介します。
おすすめの水槽用冷却ファン
おすすめの水槽用冷却ファンはコトブキ工芸の「スポットファン」です。
この冷却ファンは水槽壁に引っ掛けるだけで簡単に取り付けができ、非常にコンパクトです。
水槽上部を大きく占有しないので邪魔になることが少なく、水槽の見た目も良くなります。
また、一般的な水槽用冷却ファンとは異なり、ファンが水面近くにあるわけではなく水槽の横に位置する構造のため、水槽の外の乾燥した空気を送り込むことが可能となっています。
これにより水の蒸発がより促進され、冷却効率が非常に高くなっています。
特に大きな欠点もなく、見た目もスタイリッシュで使いやすいので一番おすすめできる水槽用冷却ファンです。
夏場の水温上昇対策に効果的な冷却ファンです。
新発想の外掛けタイプでパワフルな冷却が可能です。
スポットファン104は小型水槽~40cm(水量26L以下)水槽用、スポットファン204は45~60cm(水量60L以下)水槽用です。
おすすめの逆サーモスタット
おすすめの冷却ファン用逆サーモスタットは、GEXの「ファンサーモスタット FE-101N」です。
この製品は、水槽用冷却ファンと接続してダイヤルで水温を設定して、水温が設定温度を超えると通電して冷却ファンが稼働するシンプルな逆サーモスタットです。
電源用コンセントと冷却ファン用コンセント、水温検知センサー及びダイヤル式の水温設定装置から構成されており、冷却ファンを接続したら水槽内に水温検知センサーを設置し、お好みの水温を設定するだけで使用できるので簡単です。
水温が設定温度を超えるとランプが点灯して通電していることが視覚的にもわかり、シンプルながらも非常に使いやすい逆サーモスタットだと思います。
冷却ファン専用の逆サーモスタットです。
防滴設計やトラッキング防止プラグを搭載し、優れた耐ノイズ性で誤作動を防ぐ安心設計です。
まとめ
水槽用冷却ファンとは
水槽用冷却ファンとは、水面に風を当てて水の蒸発を促し、気化熱の原理により水槽の水温を下げる装置です。
水槽用冷却ファンのメリットとデメリット
水槽用冷却ファンのメリット
- 水温を下げることができる
- 導入費用が安い
- 設置が簡単
- 排熱による室温上昇がない
水槽用冷却ファンのデメリット
- 冷やしすぎのリスクがある
- ファンの音がうるさい
- 環境によっては冷却能力が十分でない場合もある
- 2~4℃程度を超える冷却はできない
- 飼育水の蒸発があるため足し水が必要
- 海水水槽での使用には注意が必要
- 部屋の湿度上昇が起きる
- 水槽にフタをしにくい
水槽用冷却ファンはどのような水槽に向いている?
水槽用冷却ファンは、高水温にある程度耐性がある魚を飼育している場合や、部屋の温度があまり高くならない場合など、2~4℃程度の冷却で十分な場合に使用するのが良いでしょう。
エアコンによる水温管理を行っている場合においても、特に小型水槽では機器の発熱などによる水温上昇がありますので、水槽用冷却ファンを併用して水温を下げるのは非常に効果的です。
水槽用冷却ファンの使用をおすすめできない環境は?
2~4℃程度を超える強力な冷却が必要な場合や、高水温に弱い魚を飼育する場合で水温の上限がシビアな場合には水槽用冷却ファン単体での冷却では難しいです。
そのような場合には水槽用クーラーを使用するか、エアコンを併用して使用するようにしましょう。
また、水槽用冷却ファンの稼働時はそれなりに音が発生しますので、寝室やリビングなどの水槽に設置する場合には注意が必要です。
稼働音が気になる場合には逆サーモスタットを接続し、エアコンも併用して水温の上昇を抑えて冷却ファンの稼働時間を減らす方法が有効です。
ドジョウやスネークヘッドなどの飛び出しやすい魚の飼育ではフタをしっかりとしておく必要があるため、フタがしにくい水槽用冷却ファンの使用は難しいです。
このような場合にはエアコンで水温管理をするか、水槽用クーラーを使用して、いずれにしても配管やフタの隙間をしっかりと塞いでおく必要があります。
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