病気の治療・予防方法

淡水水槽における白点病の症状や治療方法、治療薬や予防方法を徹底解説!!

淡水水槽における白点病の症状や治療方法、治療薬や予防方法を徹底解説!!

アクアリウムで魚の飼育をしていると、病気になってしまうこともあると思います。

淡水水槽における観賞魚飼育で発生する病気には様々なものがありますが、中でも白点病は非常に多くみられる病気です。

水槽内で発生する病気の中では対策もしやすく治療も簡単な方ではありますが、早期に適切な治療をしないと重篤化して魚が死んでしまったり、水槽全体に広がってしまうこともありますので注意が必要な病気です。

このページでは淡水水槽における白点病がどのような病気かを詳細に解説し、症状や治し方、治療薬や予防方法についても紹介していきます。




ここでは淡水水槽における白点病がどのような病気なのかを詳細に解説します。

白点病はどんな病気?症状は?

淡水水槽における白点病は、イクチオフチリウス症とも呼ばれることがあります。

これは海水水槽での白点病と区別するためです。

白点病になると、魚の体表に白い点がみられるようになります。

白点病とは?魚の体表に寄生虫がつき白い点がみられる

この白い点は時間経過で消失したりついている場所が変わったりするのも特徴です。

白点病になった魚は痒がって体を水草や石、底砂などにこすりつけたり、体を小刻みに振るわせたりすることもあります。

白点病の原因は寄生虫(ウオノカイセンチュウ)

淡水水槽における白点病は魚にウオノカイセンチュウ(Ichthyophthirius multifiliis)という寄生虫が寄生することによって発生します。

ウオノカイセンチュウは1876年にフランスの寄生虫学者Fouquetによって報告された繊毛虫の一種です。

世界中の淡水に生息しており、海外では「ICH」と呼ばれることも多いです。

ショップで魚を購入した際に魚に寄生していたり、ショップの飼育水を入れるなどして水槽内に持ち込まれた場合、元からいた魚にも免疫力の低いものや粘膜の状態の悪いものから寄生されていくことが多いです。

ウオノカイセンチュウは魚に寄生して体液を摂取することにより生活しており、以下の図のようなサイクルで成長、増殖していきます。

白点病の原因である寄生虫ウオノカイセンチュウのライフサイクル

ウオノカイセンチュウはセロント→ホロント→トロフォント→トモント→シスト(トモシスト)→トマイトというように段階を踏んだサイクルで寄生と増殖を繰り返します。

セロントという遊走子の段階で魚に寄生するとホロントとなり、この時点では目に見えないほど小さいですが、魚の体液を栄養として成長するとトロフォントとなり白い点として視認できるようになります。

トロフォントが100~1000μm程度に成長すると魚の表皮から抜け出し、トモントとして泳ぎ出します。

トモントは水槽の底床やガラス面などの表面に付着し、厚いゼラチン状の嚢胞壁を生成し、シスト(トモシスト)となります。

シスト内では細胞分裂が起こり、最大1000個程度の娘細胞(トマイト)が生成されます。

その後、成長したトマイトは嚢胞壁を突き破り、またセロント(遊走子)として宿主となる魚を探して泳ぎだします。

このとき、数時間以内に宿主となる魚に寄生できなかったセロント(遊走子)は感染力を失い、その後しばらくして死んでしまいます。

このサイクルは水温によって回る周期が変わり、25℃以上では5日程度、20℃前後では1週間程度、15℃前後では2週間程度、5℃前後では1カ月から2カ月以上かかるとされています。

ウオノカイセンチュウはこのようなサイクルを回して繁殖していくため、増殖力が非常に高く、水槽内の全ての魚に症状がみられるようになるとは限りませんが、伝染しやすいので注意が必要です。

白点病が進行するとどうなるのか?

白点病は魚に白い点がつくだけではなく、魚から体液を吸って栄養とするため、魚の体力を奪います。

白点病になってもすぐに弱っていくということは少ないですが、そのまま対策をとらずに寄生が長期に渡り続いたり、増殖して大量に寄生されたりすると魚が弱っていきます。

放置していると最初は2か所、3か所だった白点が一気に増えてびっしりとついてしまったり、他の病気を併発することも多いです。

白点病は放置すると白点が増えたり魚が弱ったり他の病気を併発し危険

これは、白点虫が増殖するだけでなく、白点病が進行すると寄生を受けたことによるストレスでさらに免疫力が低下したり、痒がって体をこすりつけたことによる皮膚からの感染などが起こりやすくなるためです。

また、エラに寄生すると呼吸困難を起こして一気に状態が悪化して死んでしまうこともあるので注意が必要です。

白点病は水槽内で発生すると爆発的に増殖して水槽全体に蔓延してしまうことが多いので、1匹でも白点が確認できた場合には早急な対処が必要です。

池や川などの自然界でも白点病は存在するのか?

池や川などで採取した魚に白点がみられることは少ないと思いますが、自然界でも白点病は存在します。

閉鎖環境である水槽とは違って池や川の水量は非常に多く、白点虫の密度が非常に小さくなるため、魚に寄生している白点虫も少なくなります。

そのため、池や川でとった魚に白点がたくさんついているということは稀ですが、全く白点が見られない場合でもわずかな量が寄生していて、水槽内に入れるとそこから増殖してしまうことは多いです。

水槽のような閉鎖環境では増殖した白点虫の遊走子の密度が高くなり、寄生対象となる魚もすぐ近くにいる状態になるため、集中的に寄生されてしまい、対策をしない場合には重度の白点病になることが多いです。

白点病の治療方法

白点病は寄生虫による病気であるため、水槽内の白点虫を殺虫できれば治ります。

治療方法は様々なものが提唱されていますが、ある程度対策が確立されている病気なので、ここでは手軽に行えて確実に治すことができる治療法のみを紹介します。

民間療法の鷹の爪を使用した方法なども経験上効果は感じますが、以下のような薬を使用した治療が最も確実です。

マラカイトグリーン系の治療薬で確実に白点病を治す

水槽内で白点病が発生した場合には、魚の体表に白い点が確認できた時点で、すでに水槽内にウオノカイセンチュウが多数存在し、増殖している状態です。

そのため、水槽内のウオノカイセンチュウを全て駆除する必要があるので、治療のための隔離水槽を用意するのではなく水槽全体を薬浴するのが最も確実です。

水槽全体を薬浴する場合にはバクテリアや水草、エビなどに影響が少なく比較的安全性の高いマラカイトグリーン系の薬を使用します。

ヒコサンZやアグテンが有名ですが、成分はほとんど同じなのでどちらを使用しても大丈夫です。

ヒコサンZやアグテンはマラカイトグリーン系の薬で水槽内に投与して安全に白点病を治療できる

観賞魚用魚病薬 マラカイトグリーン液 ヒコサンZ 200mL
観賞魚における白点病や尾ぐされ症状、水カビ病を治療するための薬剤です。
成分中のマラカイトグリーンは淡水性白点病と海水性白点病、共に効果を発揮します。
水草やエビ、ライブロック、バクテリアにも安心なので、飼育水に直接投薬してお使いください。

観賞魚用魚病薬 アグテン 250ml
白点病、尾ぐされ症状、水カビ病の治療薬です。
古代魚、大型ナマズ類を除く淡水魚にご使用いただけます。

マラカイトグリーン系の薬で白点病を治すためには、水槽の水量に合わせた薬品の規定量を水槽に投入するだけで良いですが、水槽の水を半分から1/3程度水換えしてから行うとより効果的です。

水換えにより白点虫を排除して数を減らすことができるのと、基本的に魚病薬は水中の有機物などが多いと効果が出づらいので水換えである程度きれいな状態で使用したほうが良いです。

また、白点病に薬が効く期間は、前項で紹介した成長・増殖サイクルの内、魚から離れた際とシストから出てきて寄生する魚を探している際の水中を泳いでいる期間のみです。

白点病治療で薬が効くのは白点中(ウオノカイセンチュウ)が水中を泳いでいる期間だけ

魚に寄生している間やシストとなって底床などの表面に付着している期間には薬が全く効かないので、効率よく治療を行うためにはサイクルを早く回して薬が効くタイミングで殺虫してしまうのが良いです。

水温が低い場合にはヒーターを使用するなどして25℃~28℃付近にするとサイクルが5日程度と早く回るので治療が早く終わり効果的です。

ただし、急激に水温を上げると魚にとっては大きな負担となるため、水温調整は時間をかけて行いましょう。

魚や水草、エビなどの種類によっては高水温に弱いものもあり、高水温時は水中の溶存酸素量が減るため酸欠の危険性も高まります。

そのような場合には、できれば25℃以上が良いですが、22℃程度以上であれば問題なく治療はできますので、無理には水温を上げないようにしましょう。

水槽に薬を投入する際は、私の経験上ではいきなり水槽に投入しても過去に問題が生じることはありませんでしたが、気になる場合にはカルキを抜いた水で希釈して水槽の流れのある所に少しずつ注ぐと良いでしょう。

白点病をヒコサンZやアグテンなどのマラカイトグリーン系の薬で治す

水槽に投入後は飼育水が青っぽく色づきますが、マラカイトグリーンは分解が早く、時間経過とともに減少していくため、通常は数時間から1日程度で透明になります。

水槽にアグテンやヒコサンZなどのマラカイトグリーン系の薬を投入すると水槽が青っぽく色づく

強い紫外線などでも分解が促進されてしまうことがあるので、紫外線ライトは使用しないようにし、直射日光などは入らないようにしたほうが良いですが、通常の部屋の蛍光灯レベルであれば特に気にしなくても大丈夫です。

ただし、分解が早い薬であり、薬効は2~3日とされてはいますが、投薬は毎日行ったほうが良いです。

経験上、3日に一度の規定量の投入では薬効が低くなっているときに、サイクルの薬が効くタイミングを逃しているようで、治るのが遅かったり再発を繰り返す場合がありました。

10日から2週間程度の治療期間であれば毎日規定量を投入しても問題ありませんでしたが、経験上は初回に規定量を投入してそれ以降は毎日規定量の1/3~半分、換水時には規定量の投入で再発もなく確実に治っていたのでその程度の投与量で良いと思います。

水槽に投入する際にはゼオライトや活性炭、吸着系の化学ろ材などは薬を吸着して治療効果が失われるので必ず取り除くようにしましょう。

魚病薬の使用時は薬が吸着されてしまうのでゼオライトや活性炭などは取り除く

また、底床にソイルを使用している場合も吸着効果によって薬効が低下する場合があるので、そのような場合はできるだけ取り除いて治療を行うのが良いですが、難しい場合も多いと思います。

私の経験上はソイルを使用した水槽での有効性も確認していますが、新しいソイルや吸着力が非常に高いソイルを使用している場合は薬の効果が出にくくなることが考えられますので、効果が見られない場合は小まめに水換えや規定量の再投与をするなどして調整が必要になります。

薬浴の期間はサイクルの周期より長めに設定し、水温25度以上であれば10日程度、22℃以上であれば2週間は続けた方が良いです。

魚に白点が見られなくなってもシストの状態では休眠状態で底床等にいるので、全てのシストから白点虫の放出が起こるまでは投薬をし続ける必要があります。

シストは環境が魚への寄生に向いていないと判断すると休眠状態になるので、治療中は急な水温低下や水温の上げすぎなどがないようにすると良いでしょう。

水温22℃以上であればしっかりと2週間投薬を続ければ白点は見られなくなり、その後白点病の持ち込み以外での再発はほとんど起こりませんが、10℃以下や30℃以上などの低すぎたり高すぎたりする水温の場合はシストの状態で休眠している期間が長くなり、薬浴後も残っているとしばらくしてから再発する可能性があります。

長期に渡って投薬を続ければ再発は防げますが、治療期間が長くなると生体や水草などに影響が出る場合もありますので、できるだけ22℃以上にして2週間以内に治療を終えるのが良いです。

治療期間中にガラス面や底床の掃除、水換えを行うのもシストの除去ができたり、シストを活性化させてサイクルを回すのに有効です。

マラカイトグリーン系の治療薬の注意点としては、着色の可能性があることが挙げられます。

規定量の使用であれば水槽のシリコンやガラス、濾過器などに着色が起きたことはないですが、原液や超高濃度の場合は色がついてなかなか取れなくなる場合があるので注意が必要です。

特に原液が服や床につくとなかなか落ちないのでこぼさないように慎重に取り扱いましょう。

マラカイトグリーンやメチレンブルー系の薬は着色の恐れがあり高濃度の薬液では色が落ちにくい

また、バクテリアやエビ、水草には比較的毒性が低く、私の経験上では大きな問題が発生したことはありませんが、特に水中から有機物をこしとって食べる濾過摂食の貝類には影響が出る場合がありますので、そのような貝類を飼育している場合には別水槽に隔離したほうが良いでしょう。

古代魚や大型ナマズ類についても薬に弱い傾向があるので投薬治療はしないほうが良く、やむを得ず使用する場合は低濃度で様子を見ながら使用するようにします。

白点病の薬などの魚病薬は濾過摂食性の貝類や古代魚、大型ナマズ類には使用しない方が良い

コリドラスやオトシンなどの小型ナマズ類については大きな問題はありませんが、規定量を超えて使用しないようにしましょう。

また、マラカイトグリーンは発がん性がある物質であるといわれることがあります。

これは核酸塩基と親和性を示す性質があり、遺伝子を傷つけて発がんを誘発する可能性があるとされるものですが、人に対する発がん性が明確になっているわけではなく、魚の治療の用途で正しく使用する分には全く問題なく使用できます。

マラカイトグリーン系の薬は魚病薬としてのみ認可されている製品ですので、用法用量を守って使用し、大量に飲み込んだりボディーペイントに使用したり、食用魚の活魚水槽で使用するなどの誤った使い方をしなければ大丈夫です。

薬が使用できない場合は換水で白点病を治す

薬が使用できる場合は上記のマラカイトグリーン系の薬で確実に治すことができますが、薬が欠品で手に入らない場合などは使用できない場合もあると思います。

そのような場合は毎日換水して白点病を治す方法もあります。

この方法では本水槽とは別に隔離水槽を二つ用意します。

このとき、砂利や砂は入れないほうが良く、魚の密度が高くなければエアレーションも不要ですが、心配であればエアレーションのみつけておいても大丈夫です。

エアコンなどを使用して部屋の温度が常時22℃程度以上になっているならばヒーターなども不要であり、水槽の代わりにバケツで代用しても大丈夫です。

まずは隔離水槽の1つに新しい水を用意し、白点病の魚を水合わせと温度合わせをしながら隔離します。

翌日、もう一つの隔離水槽に新しい水を用意し、白点病の魚を移します。

このとき、ヒーターを使用して水温を合わせるか、ヒーターを使用していない場合には水を入れて数時間放置して2つの隔離水槽の水温がほぼ同じになるようにしましょう。

空いた水槽やエアーストーン、ヒーターなどはきれいに洗浄してまた翌日新しい水を入れて白点病の魚を移し、この作業を10日から2週間繰り返します。

隔離して薬を使わずに換水で白点病を治す方法

この方法では毎日全換水をしているようなものなので、一度魚から離れた白点虫が再び魚に寄生するのを防ぎ、徐々に白点虫がいなくなります。

この方法においても、魚から早く白点虫を離れさせるために水温は25℃以上の方が良く、少なくとも22℃以上で行うのが望ましいです。

また、この方法では隔離した魚のみに治療効果があり、白点病が発生した本水槽の白点虫は駆除できません。

そのため、本水槽に他の魚がいる場合は、他の魚の間で白点虫の増殖が進んで蔓延してしまったり、白点病が治癒して本水槽に戻した時に再発してしまう可能性もあります。

水槽内で白点病が発生した場合、薬を使用せずに確実に白点病の根絶を目指すためには全ての魚を隔離する必要があるので注意が必要です。

隔離水槽で全ての魚を治療している間、本水槽に魚が一匹もいない状態(エビや貝などの魚類以外は寄生されないのでそのままで大丈夫です。)であれば、魚に寄生できなかった白点虫は死んでしまうので白点虫はいずれ全滅します。

ただし、シストとなって休眠中の状態のものが長く残ってしまう可能性があるため、水温低下や水温の上げすぎには注意した上で、できれば25℃以上、少なくとも22℃以上にしておきサイクルを早く回すようにします。

その際、底床やガラス面を掃除したり水換えでシストの除去や活性を促すようにするとより効果的です。

白点病の治療時はガラス面や底砂などを掃除してシストを除去したり活性化を促して白点病の再発を防ぐ

本水槽に魚がいない状態で1か月以上水を回しておいて、治療済みの魚を戻せば再発の危険性は非常に少なくなりますが、全ての魚を隔離できている場合は、本水槽をリセットしてしまう方法もあります。

水槽や濾過器、エアーストーンなどの機器は良く洗浄し、ウールマットやスポンジ、底砂などは新しいものに変え、リングろ材や多孔質ろ材などは煮沸してしまえば再発はなくなります。

白点病の隔離治療では水槽をリセットして洗浄し、ろ材を煮沸すると再発を防ぐことができる

ただし、この場合は濾過バクテリアがいなくなってしまうので水槽の立ち上げ直しをすることになります。

白点虫は常在菌?根絶は可能?

白点虫は常在菌であると言われることも多いですが、白点病の原因であるウオノカイセンチュウは常在菌ではありません。

常在菌とは通常は病原性を持たず、健康な生物の体内にも多く存在している菌のことであり、他の病原体の侵入時に増殖や発病を抑制するなど、保菌者と共生関係にあるものを指します。

白点病の原因であるウオノカイセンチュウは菌ではなく寄生虫ですのでその時点で常在菌の定義からは外れます。

自然界やショップなどを含む多くの飼育環境でも存在することが多い寄生虫であることや、魚の免疫力が低下した際に日和見的に発症することがあるなど、常在菌に似た性質も持ち合わせているため、常在する寄生虫であると言われてしまうのも無理はないかと思います。

白点虫(ウオノカイセンチュウ)は自然界の川や池のみならずショップを含む多くの飼育環境でも存在することが多い寄生虫

ただし、水槽飼育環境下では全く存在しない場合もあり、もともといなかった水槽に外部からの持ち込み以外でいきなり発生することはありません。

シスト化した白点虫が残っていて再発したり、エビや貝、水草などの魚以外の購入時でも持ち込みの可能性があることから常在しているものと思われていることが多いですが、本当の常在菌のように保菌している魚から取り除けないようなものではないので、やはり常在菌とは言えません。

そのため、正しく治療できれば再発も防ぐことができ、予防などの対策もしやすい病気であると言えます。

基本的にマラカイトグリーン系の薬を使用したり、水槽内に魚が全くいない状態で1か月以上水を回したりすれば白点虫は理論上は全滅するので根絶も狙えます。

ただし、白点虫がシスト状態の際に、魚への寄生に適した環境でなくなった場合には休眠状態になって残ってしまうことがあります。

水温が低すぎたり高すぎたりする場合や飼育水の水質が著しく変化した場合に休眠状態になることが知られていますが、水温などに気を付けていれば休眠状態になるシストは少ないため、一度治療が完了した水槽で白点病が再発することは多くはありません。

再発防止のために、治療期間中にシストの除去や活性化を促すために底床をホースで掃除したり、ガラス面の掃除をするのも有効です。

基本的に正しく薬浴や隔離ができていれば再発は少ないですが、薬液の濃度や治療期間・隔離期間が短かったり、水槽内に吸着効果があるものが入っている場合や、外部からの持ち込みがある場合には再発の危険があるので注意が必要です。

治療後にシストが残っていて完全に根絶できなかった場合でも、治療によって白点病を沈静化させることは可能であり、水槽の状態が良く、魚の免疫力が高い状態を維持できれば沈静化したままそのまま再発がなくなることもありますので、治療後も引き続き水槽環境の改善に取り組むことが再発予防につながります。

シストが残っている状態で急な水温や水質変化があり魚の免疫力が低下すると、一度沈静化していても再発することはありますので、その場合は薬浴や隔離の環境を見直した上で再度行い、その後の水温や水質の管理に気をつける必要があります。

白点病の治療はできるだけ早く行う

白点病の治療方法はすでに確立されており、他の病気と比較して治療はしやすい病気ですが、発症したらできるだけ早く対処しないと進行して重篤化してしまうことがあるので注意が必要です。

初期であれば白点がついていても魚は元気なことが多いですが、水槽内で大量に増殖して魚にびっしりと白点がついている状態だと栄養を多くとられてしまい弱っていったり、痒がって体をこすりつけて傷がついてしまい感染を起こしたり、ストレスで免疫力が下がってさらに他の病気にかかってしまうこともあります。

白点病の治療を始めても白点虫が魚から離れるまでは時間がかかるので、その間は魚の体力が徐々に奪われていきますが待つしかありません。

そのため、元気がなくなって弱った状態から治療をすると白点病は治っても体力の限界や他の病気で死んでしまう場合があるので、白点病が確認出来たらできるだけ早く治療を開始するようにしましょう。

これは白点病以外の病気でも同様ですが、できれば病薬や隔離容器などは病気が発生する前に事前に用意しておくのが良いです。

魚病薬
各メーカーより様々な魚病薬が販売されています。

白点病は無治療でも治る?

白点病は無治療でも徐々に沈静化して治っていく場合もあります。

水槽の状態が良く、魚もストレスがなく免疫力が高い状態である場合は白点虫からの寄生を受けにくくなるため、多数に寄生されていない状態であれば白点が少しずつ減って治ったり、他の魚が白点病になっていても発病しない魚が存在する場合もあります。

白点病が自然に沈静化して症状が全く見られなくなった水槽においても、魚に寄生できなければ白点虫は増殖できないので、その後再発するということは私の経験上でもあまり多くはないですが、前述したマラカイトグリーン系の薬での薬浴と同様にシスト化した白点虫が残っていれば再発の可能性はあります。

白点病が自然治癒することがあるというのは事実ですが、あまり多くはないのでそれに期待して治療をしないというのはやめたほうが良いと思います。

水槽の状態が良いように見えても白点病が発生してから自然に治っていくかどうかはわかりませんし、水槽全体に広がっている場合はその後水槽の環境を改善しても白点病を無治療で沈静化させることは難しくなりますので、白点病を確認したら早期の治療や対策が必要になります。

白点病の予防方法

白点病は寄生虫によるものですので、もともと水槽内に存在しない場合は外部からの持ち込み以外で発生することはありません。

そのため、白点病を予防するためには外部からの持ち込みを徹底的に防ぐ必要があります。

ここでは白点病を持ち込まないための対策を紹介します。

購入した魚は事前にトリートメントをしてから水槽に入れる

新しく購入した魚を水槽に入れる前に事前にトリートメントを行い、白点病の確認や治療を行うのが最も確実な予防方法です。

購入した魚を事前に本水槽とは別の容器に入れて2週間ほど薬浴してから水槽に入れるようにすると、白点病の持ち込みは確実に防ぐことができます。

白点病予防のためのトリートメントではメチレンブルー系の薬を使用します。

中でも日本動物薬品のグリーンFリキッドが使いやすくおすすめです。

グリーンFリキッドなどのメチレンブルー系の薬でトリートメントをして白点病の持ち込みを防ぐ

グリーンFリキッド 100mL
メチレンブルーとアクリノールを配合した観賞魚用の白点病、細菌性疾病用治療薬です。
白点病や尾ぐされ病、水カビ病などの幅広い疾病の治療に優れた効果があります。
古代魚、大型ナマズなどを除く淡水魚にご使用いただけます。

この薬はマラカイトグリーン系の薬と同様に白点病の治療ができるだけでなく、細菌性の病気にも有効な成分が入っていいるので、尾ぐされ症状などにも多少の効果があり、水槽に入れる前のトリートメントには非常に有効です。

ただし、バクテリアや水草に大きなダメージを与えるので、この薬を使用する際には必ず隔離水槽で行い、本水槽には直接投入しないようにします。

トリートメントはバケツなどでも大丈夫ですが、白点病の予防に関しては水温が少なくとも22℃以上である方が良いので、部屋の温度が低い場合は水槽にヒーターを入れて行うようにしましょう。

水量に対して魚の量が少ない場合にはエアレーションなどはなくても大丈夫なことが多いですが、心配な場合には弱めにエアレーションをしておきましょう。

飛沫対策や飛び出し防止のためにフタをしたりラップをしてテープで止めておくなどすると良いでしょう。

白点病の予防のために購入した魚を水槽に入れる前にメチレンブルーでトリートメントを行う

メチレンブルー系の薬は光と反応して活性酸素を生じさせ、それにより菌を殺菌、白点虫を退治します。

そのため、メチレンブルーでの治療中はある程度の光が必要ですが、通常の部屋の明かりのような光があれば問題ありません。

メチレンブルーは光によって効力を発揮すると同時に薬効が徐々に落ちていきますが、規定量を投入した後は5日~1週間程度の間は薬効が持続するので毎日添加する必要はありません。

ただし、紫外線ライトを照射したり直射日光のような光はメチレンブルーの分解が早くなり、薬効が短くなってしまうので強すぎる光は当てないように使用しましょう。

また、メチレンブルーを入れた隔離水槽ではバクテリアによる水質浄化が期待できないため、水質が悪化しやすく、水中に有機物が増えると薬効も落ちてしまいます。

そのため、同じ濃度や温度の薬液を用意して小まめに水換えをするようにすると水質が維持しやすく、薬効も保てます。

メチレンブルーを用いたトリートメントでは特に、餌をあげている場合には毎日水換えをし、餌をあげていない場合や数日に一度という場合でも3日に一回程度は水換えをすると良いでしょう。

白点病の持ち込み防止にグリーンFリキッドなどのメチレンブルー系の薬浴が有効

また、メチレンブルー系の魚病薬もマラカイトグリーン系の薬と同様に、古代魚や大型ナマズ類、濾過摂食性の貝類などには使用しないほうが良く、用法用量は守って使用するようにしましょう。

着色も強い薬なのでこぼしたりしないように取り扱うようにし、着色が起こっても問題ない容器などを使用するようにしたほうが良いです。

グリーンFリキッドなどのメチレンブルー系の薬は着色傾向が強いため注意が必要

このように、白点病の持ち込みは水温や薬液濃度などに気を付けて2週間程度の薬浴を行うことにより、確実に防ぐことが可能です。

この方法では魚から白点虫がいなくなった状態で水槽に導入できるため、新しい水槽やしっかりと洗浄を行った白点虫がいない状態の水槽に導入した場合、今後は持ち込みが無ければ白点病の発生はありません。

ただし、購入した魚の状態が悪くかなり弱っている場合などは、いきなりメチレンブルー系の薬で薬浴するとさらに状態が悪化する場合があるので、塩水浴で体力を回復させてから行うなど、状況をみながら判断する必要があります。

やむを得ずトリートメントなしで本水槽に導入する場合は、購入した魚だけでなく元からいた魚たちにも白点病の症状が出ていないかを1か月程度の間は毎日確認し、白点が確認できたらその時点でマラカイトグリーン系の薬を使用した水槽全体の薬浴が必要になりますので薬の準備はしておきましょう。

白点病が出ている水槽の魚は購入しないようにしよう

ショップなどで魚を購入する際、欲しい魚を確認して白点病などの症状が出ていない場合でも、同じ水槽にいる他の魚に1匹でも白点病の症状がみられる場合には購入を見送った方が良いでしょう。

そのような水槽は確実に水槽内で白点虫が増殖している状態ですので、今白点が出ていない魚でも寄生されている場合があり、そのまま自分の水槽に入れるとそこから蔓延してしまう可能性が高いです。

白点病は治せる病気であるため、どうしても気に入った魚である場合はメチレンブルー系の薬でトリートメントをしてから水槽に入れるようにすれば問題ないことが多いですが、白点病以外の病気を併発している場合や元気がなさそうな場合は絶対に購入しないようにしましょう。

白点病が出ている水槽の魚を本水槽に入れてしまった場合は、すぐにマラカイトグリーン系の薬を使用して水槽全体を薬浴すれば問題ないことが多いですが、むやみに水槽全体を薬浴するよりも事前に隔離水槽でトリートメントをしたほうが他の魚やエビ、水草などに全く影響しないので安心です。

基本的に白点病が確認できるような水槽の魚は販売中止にする店が多いと思いますが、徹底されていない店も多いので購入の際には自分の目でもしっかり確認するようにしましょう。

ショップの水は水槽に入れないようにしよう

ショップで魚を購入した際、パッキング袋の中の水は水槽内に入れず、魚だけを入れるようにしましょう。

白点病の持ち込みを防ぐためにショップの水は水槽にいれないようにしよう

白点虫は目には見えない状態で水中にも存在することも多いので、ショップの水槽の水を入れないことは白点病の予防になりますし、白点病だけでなく他の病気や寄生虫に対しても有効です。

ただし、購入した魚をそのまま本水槽に入れたり、少量でもショップの水が混入した時点で白点虫の混入は否定できなくなります。

予防としては有効ですが完全に白点病の持ち込みが防げるわけではないので、確実に防ぎたい場合は購入した魚をメチレンブルー系の薬でトリートメントをしたほうが良いです。

また、ショップの水からの白点病の混入は魚の購入時だけでなく、貝やエビ、水草などの購入時も同様です。

白点虫は貝やエビ、水草に寄生することはありませんが、同じ水槽に魚がいた場合はショップの水とともに持ち込んでしまったり水草などにシストが付着していたりすることはあり得ます。

このような場合もショップの水をできるだけ水槽に入れないようにすることはある程度の予防になりますが、混入の可能性は0ではないので、本水槽で白点病が確認できた場合はすぐにマラカイトグリーン系の薬で水槽全体の薬浴が必要になります。

他の水槽からの持ち込みを防ごう

水槽が複数ある場合、一つの水槽で白点病が発生すると管理している全ての水槽に広がってしまうことがあります。

白点病は空気中を伝って感染するようなものではないので、これも持ち込みによる感染であるということになります。

魚をすくう網や掃除用のホース、バケツなどを複数の水槽で併用したことにより白点虫が混入する場合がありますので、白点病が確認できた水槽がある場合には水槽内に入れるものをそのまま共有しないようにし、しっかりと洗浄してから使うようにしましょう。

白点病が出ている水槽が1つだけの場合は、その水槽を一番最後に掃除するなどの対策も効果的ですが、白点病のみではなく他の病気や寄生虫の飛び火防止としては、日ごろから器具の共有を避けることが最も有効な方法です。

水槽が複数ある場合の白点病が飛び火しないようにバケツや網やホースなどは洗浄してから使う

まとめ

淡水水槽における白点病とは

  • 白点病はどんな病気?症状は?
  • 魚の体表に白い点がみられるようになる。
    白い点は時間経過で消失したりついている場所が変わったりする。

  • 白点病の原因は寄生虫
  • 白点病は魚にウオノカイセンチュウという寄生虫が寄生することによって発生する。
    魚に寄生→成長→離脱→底床に着地→増殖→寄生する魚を探して泳ぐというサイクルが行われる。

  • 白点病が進行するとどうなるのか?
  • 寄生が長期に渡り続いたり増殖して大量に寄生されたりすると魚が弱っていく。
    ストレスからの免疫力低下や痒がってこすりつけた皮膚からの感染で別の病気を併発する場合がある。
    エラに寄生すると呼吸困難を起こして死んでしまうこともある。

  • 池や川などの自然界でも白点病は存在するのか?
  • 自然界でも白点病は存在するが、水量に対する白点虫の密度が低いので集中的に寄生されることは少ない。

白点病の治療方法

  • マラカイトグリーン系の治療薬で確実に白点病を治す
  • バクテリアや水草、エビなどに影響が少ないマラカイトグリーン系の治療薬であるヒコサンZアグテンなどを使用して水槽全体を薬浴する。
    薬の使用前に半分から1/3程度の水換えを行い、水温はできれば25℃~28℃程度、少なくとも22℃以上にする。
    投薬は毎日行い、薬浴は白点が視認できなくなっても10日~2週間は続ける。
    濾過摂食の貝類がいる場合や古代魚や大型ナマズ類への使用は注意が必要。

  • 薬が使用できない場合は換水で白点病を治す
  • 本水槽とは別に隔離水槽を二つ用意し、魚を入れて毎日清潔な水槽に入れ替える。
    根絶を目指す場合は全ての魚の隔離が必要。

  • 白点虫は常在菌?根絶は可能?
  • 白点虫は常在菌ではなく、自然界や飼育水槽に多く存在している寄生虫であり、魚から取り除けないようなものではない。
    外部からの持ち込み以外でいきなり発生することはなく、正しい薬浴や隔離により根絶も狙える。
    治療後にシスト化した白点虫が残ってしまっても水槽環境や魚の免疫力次第で沈静化したまま再発しないこともある。

  • 白点病の治療はできるだけ早く行う
  • 白点病は治療しやすい病気だが、治療が遅れると白点病は治っても体力の限界や他の病気で死んでしまうことがある。
    早期の治療が重要であり、魚病薬や隔離容器などは病気が発生する前に事前に用意しておくのが望ましい。

  • 白点病は無治療でも治る?
  • 水槽の状態が良く魚の免疫力が高い場合は白点病が自然治癒したり沈静化することがあるが稀である。
    自然治癒に期待すると手遅れになる場合もあるので早期治療が望ましい。

白点病の予防方法

  • 購入した魚は事前にトリートメントをしてから水槽に入れる
  • 購入した魚を本水槽とは別の容器に入れて2週間ほど薬浴してから導入すると白点病の持ち込みを防ぐことができる。
    メチレンブルー系の薬であるグリーンFリキッドなどを使用する。
    この薬はバクテリアや水草に大きなダメージを与えるので必ず隔離水槽で行う。
    トリートメント中は3日に1度程度~毎日換水を行う。

  • 白点病が出ている水槽の魚は購入しないようにしよう
  • 白点病が1匹でも出ている水槽の魚を導入すると白点虫の持ち込みの可能性が高いので購入を避ける。
    どうしても購入する場合はトリートメントをしてから導入する。

  • ショップの水は水槽に入れないようにしよう
  • パッキング袋の中の水は水槽内に入れず、魚だけを入れるようにする。
    ある程度予防に効果はあるが、魚をそのまま導入したり少量の水が入った時点で持ち込みのリスクはある。

  • 他の水槽からの持ち込みを防ごう
  • 水槽が複数ある場合は、白点病が出ている水槽で使用した網やホース、バケツなどをそのまま共有しない。
    しっかりと洗浄して使用することにより他水槽への飛び火を防ぐ。




新着記事

淡水水槽における白点病の症状や治療方法、治療薬や予防方法を徹底解説!!白点病は病気の中では対策も治療も簡単な方ではありますが、早期に適切な治療をしないと重篤化したり水槽全体に広がることがあるので注意が必要な病気です。このページでは淡水水槽における白点病がどのような病気かを詳細に解説し、症状や治し方、治療薬や予防方法についても紹介していきます。...
粘膜保護剤は魚の病気予防に有効?効果やデメリット・おすすめを徹底解説!!アクアリウムで魚などを飼育する際に水槽に添加するものとしては、塩素中和剤(カルキ抜き)や粘膜保護剤、水質調整剤など様々なものがあります。このページでは粘膜保護剤のメリットとデメリットについて詳しく解説し、おすすめの製品も紹介します。...
カルキ抜きは必要?残留塩素の危険性やおすすめのカルキ抜きの方法を徹底解説!!日本の水道水にはカルキ(残留塩素)が含まれており、そのまま使用してしまうと魚などの生体に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。このページでは、残留塩素の危険性やカルキ抜きの方法とその特徴を紹介し、水槽の環境に合ったカルキ抜きの方法や製品についても詳しく解説していきます。...
メダカと日淡の混泳の相性やおすすめを徹底解説!エビや金魚・鯉との相性も!メダカを日本産淡水魚(日淡)と混泳させてみたいという人は多いです。しかし、日淡は泳ぎが上手く大型になる種類が多いので、混泳できる種類は限られてきます。このページでは、メダカと混泳できる日淡の種類や相性、注意点やおすすめについて詳しく解説します。...




COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA