メダカは小さくて可愛らしく、アクアリウムの中でも非常に人気の高い魚です。
メダカは種類も豊富であり、メダカのみの飼育でも十分楽しむことができますが、メダカと他の魚を一緒に飼育すると水槽がより一層華やかになり、多様な生体を観察することができます。
メダカは日本の魚なので、日本産淡水魚(日淡)と混泳させてみたいという方は多いです。
しかし、メダカは小さくて遊泳力もあまり高くない魚であり、他の川魚のような日淡は泳ぎが上手く大型になる種類も多いので、メダカと混泳できる種類は限られてきます。
このページでは、メダカと混泳できる日淡の種類や相性、注意点やおすすめの組み合わせについて詳しく解説します。
日本産淡水魚(日淡)とは
日本産淡水魚とは、その名の通り日本に古くから生息する淡水魚のことであり、日淡と略されることも多いです。
日本の川や池、湖などには様々な魚が生息しており、熱帯魚のような華やかな魚は少ないものの、渋くて落ち着いた魅力があります。
日淡にはタナゴやモロコ、オイカワやカワムツなどの川魚や、ヨシノボリなどのハゼ類、ドジョウやナマズなどの様々な種類があります。
日本の自然の中で生きている魚なので日本の気候には適合しており、夏の暑さには注意が必要な魚もいるものの、冬の寒さには強く、特に室内ではヒーター無しで飼育できる魚が多いです。
また、メダカと同様に弱アルカリ性~中性付近の水質を好む種類が多いので、水質の面でいえばメダカと日淡の相性は良いと言えます。
日本でなじみの深いメダカと日淡を混泳させることにより、日本の自然のような趣の深い水槽を作り上げることができます。
ただし、日淡は大きくなる魚が多く、メダカを食べてしまう種類も多いので混泳させる際には事前によく調べて問題がないかを確認してからするようにしましょう。
また、メダカの成魚であれば混泳に問題がなくても、稚魚や幼魚は食べてしまう魚もいますので、注意が必要です。
日本に古くから生息する淡水魚のことであり、日淡と略されることも多いです。
熱帯魚のような華やかな魚は少ないものの、渋くて落ち着いた魅力があります。
メダカを混泳させる際の注意点
ここでは、メダカと他の魚やエビなどを混泳させる際の注意点を挙げます。
メダカと日淡の混泳でも以下の注意点を踏まえて考える必要があります。
- メダカを捕食する可能性がある魚は避ける
- メダカや他の魚が十分に餌を食べられているかを確認する
- 気性が荒い魚との混泳は避ける
- 極端な軟水や酸性を好む魚との混泳は避ける
- ヒーターやクーラーなどが必要な場合もある
メダカは最大4cm程度と小さい魚ですので、メダカが口に入るサイズの大きな魚の場合はメダカが食べられてしまいます。
また、肉食性の強いエビや水生昆虫の場合も同様にメダカが捕食されてしまいますので混泳はできません。
メダカは遊泳力が高い魚ではないため、同じようなサイズの魚でも動きが素早い魚が多くいる水槽では餌がなかなかとれない場合があります。
餌やりの際にはメダカを含む全ての生体にしっかりと餌がいきわたっているかを確認する必要があります。
メダカが食べられてしまうことはなくても、メダカに攻撃したりしつこく追い回したりするような魚は避けましょう。
攻撃が続くとヒレがボロボロになったりストレスで病気になってしまい、衰弱して死んでしまうことも多いです。
メダカはある程度適応する水質の範囲が広い魚ですが、軟水や酸性に大きく傾いている環境では調子を崩す場合があります。
そのような水質を好む魚と混泳させる場合には注意が必要です。
メダカはある程度の高水温や低水温には耐性がある魚ですが、混泳したい魚によってはヒーターやクーラーなどを使用して水温を調整する必要があります。
ここからは、上記の注意点を踏まえてメダカと様々な日淡の相性をまとめていきます。
メダカとの混泳を考えている方の参考になればと思います。
メダカとタナゴとの混泳の相性
メダカとカゼトゲタナゴの混泳(相性:〇)
カゼトゲタナゴは最大4cm程度の小さいタナゴであり、タナゴ同士で小競り合いはするものの、メダカにはあまり興味を示さないので攻撃されてしまう危険性もほとんどありません。
また、動物食性が強いので水草を食べてしまったり引っこ抜いたりすることもほとんどありません。
稚エビなどは捕食する場合がありますが、ある程度育ったエビは食べないのでミナミヌマエビなどの小型のエビとも混泳が可能です。
メダカとの相性は非常に良く、水草を入れた水槽などでもトラブルにならないことが多いので最もおすすめできるタナゴです。
メダカとバラタナゴの混泳(相性:△)
アクアリウムでよく飼育されるバラタナゴには、ニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴがあります。
ニッポンバラタナゴは古くから日本に存在した在来種ですが、タイリクバラタナゴは中国から移入してきた外来種です。
そのため、タイリクバラタナゴについては厳密にいうと日本産の淡水魚ではないですが、他の在来種のタナゴと同様に飼育できるため、日淡のくくりに入れられていることも多いです。
ニッポンバラタナゴは最大5cm程度、タイリクバラタナゴは最大8cm程度になり、どちらのタナゴも特に婚姻色が出ているオスは非常に美しいです。
これらのタナゴも基本的にはメダカにあまり興味を持たないので混泳は可能ではありますが、発情期になり婚姻色が出ているオスなどはテリトリーにメダカが近づくと勢いよく追い払らったりすることがあります。
私がニッポンバラタナゴとタイリクバラタナゴなどの水槽でメダカを混泳していた際には、メダカがしつこく追い回されたりはせず特に問題なく飼育はできましたが、特にタイリクバラタナゴは大きくなるので気性が荒い個体の場合は注意が必要です。
また、タナゴの中では水草食性がそれほど強くない種類ではありますが、柔らかい水草や新芽などは食べてしまったり、口で引っこ抜いて遊んだりすることもあるので注意が必要です。
稚エビは食べますがある程度成長したエビはほとんど食べないので、水草などの隠れる場所があればミナミヌマエビとの混泳も可能です。
日本の固有亜種で、現在はごく一部の限られた地域にのみ生息している淡水魚の仲間です。
繁殖期のオスは名前の通り体側面がバラ(薔薇)色に染まり、日本産淡水魚の中でも特に美しい種類の1つです。
タイリクバラタナゴ
中国から移入してきた魚ですが、日本産淡水魚のくくりに入れられることがある魚です。
体高がありオスの婚姻色がとても美しい魚です。
メダカとその他のタナゴの混泳(相性:×)
上記以外のタナゴでも混泳できる場合はありますが、大きく成長する種類が多く、気性も荒いことが多いのでメダカとの混泳はできないことが多いです。
また、水草食性も強い種類が多いので注意が必要です。
メダカとモロコとの混泳の相性
メダカとイトモロコの混泳(相性:〇)
イトモロコは4~8cm程度の魚であり、5cm以下の小さめの個体が多く流通していますが、水槽で長く飼育していると8cm程度まで大きく成長することもあります。
メダカと比較するとやや大きめになりますが、非常に温和でケンカもほとんどせず、メダカに危害を加えることはありません。
また、底の方にいることが多い魚なのでメダカと遊泳域が異なり、混泳の相性としては非常に良いと言えます。
水草にもほとんど興味を示さないので食害などはないと思いますが、臆病な個体は驚いた際に底砂を巻き上げてしまうことがあるので注意が必要です。
エビとの混泳については、稚エビは食べられてしまうことがあり、1cmほどに成長したミナミヌマエビでも口に入れば食べてしまいます。
私の水槽でも何度か口に小さなミナミヌマエビを咥えたイトモロコを目撃していますが、エビも逃げますので水草などの隠れる場所があれば数を減らさず維持することも可能です。
メダカとカワバタモロコの混泳(相性:△)
カワバタモロコは4~8cm程度の魚であり、自然界では5cm以下の小さめの個体が多いですが、水槽で長く飼育していると8cm程度まで大きく成長することもあります。
性格は温和なのでメダカを襲うことはほとんどありません。
ただし、イトモロコと違って水槽全体を泳ぐことも多く、上の方を固まって泳いでいることもしばしばあるのでメダカの生活圏と重なってしまいます。
カワバタモロコはメダカと比較して動きが機敏で遊泳力も高いので、水槽のスペースが狭かったり数が多いとメダカにとってはストレスになることがありますので注意が必要です。
また、水草の新芽などの柔らかい葉は食べてしまうこともありますので注意が必要です。
繁殖期のオスは婚姻色が出て金色に輝き非常に美しい魚です。
メダカとその他のモロコの混泳(相性:×)
上記以外のモロコでも混泳できる場合はありますが、10cm以上に成長する種類も多く、メダカにとっては脅威になる種類も多いので避けたほうが無難です。
メダカとドジョウ・底物類との混泳の相性
メダカとシマドジョウの混泳(相性:〇)
シマドジョウは体の模様が点状に並んだドジョウであり、主に水槽の底の方で生活しています。
現在ではシマドジョウ種群として、シマドジョウの中でも詳細に種類が分けられています。
そのため、種類によって体の模様には違いがあり、ライン状の模様が入る場合もあります。
また、種類によって小型~大型のシマドジョウが存在し、種類によっては最大13cmほどになる魚です。
性格は温和でメダカを攻撃することはありませんし、マドジョウやヒドジョウのように大きく太く成長する種ではないので、メダカの遊泳や睡眠の邪魔になるようなことも少なく、混泳にも非常に適しています。
また、水草やエビにもほとんど興味を示さないので、ミナミヌマエビなどを入れている水槽でも飼育が可能です。
メダカ水槽で飼育するのであれば、小さめの個体を選ぶと良いでしょう。
日本固有種のドジョウです。
点列状に並んだ体側の斑紋が特徴的な種で、個体によってはライン状になる個体もいます。
温和でメダカとの混泳にも適しています。
メダカとスジシマドジョウの混泳(相性:〇)
スジシマドジョウは体の模様が線状になっているドジョウです。
現在ではスジシマドジョウ種群として、スジシマドジョウの中でも詳細に種類が分けられています。
そのため、種類によって体の模様には違いがあり、斑紋状の模様が入る場合もあります。
また、種類によって小型~大型のスジシマドジョウが存在し、種類によっては最大13cmほどになる魚です。
混泳については上記のシマドジョウに準じ、メダカとの混泳には適しています。
メダカとマドジョウの混泳(相性:△)
マドジョウは全国の水田や池などに生息するドジョウで、最も良くみかけるドジョウだと思います。
マドジョウは20cmを超えることもあり、ドジョウの中では大きくなる種類です。
主に水槽の底の方で生活しており、性格は温和でメダカを攻撃することはありませんので、メダカと混泳しても問題ないことは多いです。
ただし、ドジョウはメダカが寝ている夜間に活発に泳ぎ回ることがあり、あまり大きなドジョウだとパワーもあるのでメダカにとってはストレスになることがあります。
特に小さめの水槽に入れる場合などは小さい個体を選ぶか、シマドジョウやスジシマドジョウなどの小型のドジョウにしたほうが安心です。
日本各地の田んぼや池、川や沼などに生息しているドジョウです。
個体によっては大きく太く成長し、20cmを超えることもあります。
メダカとヒドジョウの混泳(相性:△)
ヒドジョウはマドジョウが突然変位により黄色化した個体を固定したものであり、黄色~オレンジ色に見えるドジョウです。
マドジョウと同様に20cmを超えることもあり、ドジョウの中では大きくなる種類です。
メダカとの混泳については上記のマドジョウに準じます。
日本各地の水田や湿地などに生息するマドジョウの黄変個体です。
メダカとホトケドジョウの混泳(相性:×)
ホトケドジョウは最大7cmほどの小型のドジョウです。
他のドジョウと違って遊泳性が高く、水槽内を泳ぎ回っていることが多い種類です。
メダカと同程度の小さなホトケドジョウであればメダカとの混泳は問題ない場合もありますが、好奇心旺盛な個体はメダカを追い回したりヒレをかじったりする場合があるので注意が必要です。
大きく成長したホトケドジョウは小さなエビを襲って食べてしまうことも多く、小さめなメダカも食べられてしまうことがありますのでメダカとの混泳はおすすめしません。
また、ホトケドジョウは高水温には弱く、水温が30℃を超えると弱って死んでしまうこともあるので注意が必要です。
飼育する際には水槽用クーラーで水温を25℃付近にしておくと安心して飼育することができます。
日本固有種の小型のドジョウです。
遊泳性が高く貝食性が強いスネールイーターとしても知られています。
メダカとその他のドジョウの混泳(相性:△)
上記以外のドジョウについても、ドジョウは基本的には温和で底の方にいることが多いので、メダカとの混泳は問題なくできることが多いです。
ただし、ドジョウは夜行性のものが多く、メダカが寝ている夜間に激しく泳ぎ回ることがあるので、大きくて泳ぎにパワーがあるドジョウはメダカにとっては強いストレスになります。
また、上記で紹介したシマドジョウやスジシマドジョウ、マドジョウやヒドジョウ以外のドジョウの中には高水温に弱く、25℃~28℃を超えると調子を崩しやすくなるような種類もいます。
そのようなドジョウを飼育する場合には水槽用クーラーなどで水槽を冷却する必要がありますので、メダカ水槽に水槽冷却装置を導入するのが難しい場合には小型のシマドジョウやスジシマドジョウなどにしておいた方が無難です。
メダカとツチフキの混泳(相性:〇)
ツチフキは最大10cm程度の魚であり、砂や泥を吸い込んでその中に含まれる有機物や微小生物を捕食します。
メダカを積極的に襲うことはないので、問題なく混泳できる場合が多いです。
ただし、メダカの餌のみでは底にいるツチフキまで餌がまわらない場合が多いので、ツチフキには沈下性のペレット状の餌を定期的に与えると良いでしょう。
ツチフキは次項で紹介するカマツカほど激しくはないですが、底砂を吸い込んで餌を食べるので水草を植えている場合には注意が必要です。
また、メダカよりも水質悪化や水質変化には敏感な種であるため、飼育の際には底砂を清潔に維持するなど、注意が必要です。
水温についても、比較的低水温を好む種であるため、水槽用クーラーなどを使用して水温が28℃を超えないように飼育するのが望ましいです。
メダカと混泳する場合には大きすぎない個体を選ぶと良いでしょう。
砂や泥を吸い込んでその中に含まれる有機物や微小生物を捕食します。
メダカとカマツカの混泳(相性:△)
カマツカは最大15~20cm程度の魚であり、砂を吸い込んでその中に含まれる有機物や微小生物を捕食します。
メダカを積極的に襲うことは少ないのでメダカとの混泳は可能な場合が多いですが、餌が足りていない場合などは稀に小さめのメダカを捕食してしまう場合があります。
メダカの餌のみでは底にいるカマツカまで餌がまわらない場合が多いので、カマツカには沈下性のペレット状の餌を定期的に与えると混泳も上手く行くことが多いです。
ただし、サイズが大きいカマツカが動き回るとメダカにとってはストレスになる場合があります。
特に小さい水槽で飼育する場合には導入しないようにするか、小さめの個体を選ぶようにしましょう。
砂を勢いよく吸い込んだり吐き出したり砂に潜ることもあり、水草は掘り返されてしまうので水草を砂に植えている水槽への導入にも向きません。
また、メダカよりも水質悪化や水質変化には敏感な種であるため、飼育の際には底砂を清潔に維持するなど、注意が必要です。
水温についても、比較的低水温を好む種であるため、水槽用クーラーなどを使用して水温が28℃を超えないように飼育するのが望ましいです。
雑食性で底生動物や付着藻類を主に食べますが、砂を吸い込んでエラ穴から吐き出して餌を食べる習性があります。
メダカとハゼとの混泳の相性
メダカとヒナハゼの混泳(相性:〇)
ヒナハゼは最大4cm程度の小さいハゼであり、川の下流や海水が入り混じる汽水域に生息しています。
純淡水でも全く問題なく飼育でき、性格も温和なので基本的にはメダカと問題なく混泳することができます。
ただし、小さいエビは好んで食べてしまうことが多いので、ミナミヌマエビなどが入っている水槽では混泳できません。
最大4cm程度の小型のハゼで、生息地では河川下流の淡水から汽水域に生息します。
純淡水でも問題なく飼育でき、温和なので混泳にも向いている種です。
メダカとヨシノボリの混泳(相性:×)
ヨシノボリは体長5~10cm程度のハゼです。
一般的にヨシノボリというのはヨシノボリ属に分類される魚の総称であり、その中でも多くの種類に分類され、体の模様などは種類によって様々です。
ヨシノボリは肉食性が高く、小さい魚やエビなどは積極的に捕食してしまいます。
メダカも食べられてしまいますのでメダカ水槽には導入しないようにしましょう。
日本から東南アジアまで広く生息するハゼの仲間です。
オスは美しい婚姻色を持ち、卵の世話をするなどユニークな生態があって非常に魅力的な種です。
メダカとエビとの混泳の相性
メダカとミナミヌマエビの混泳(相性:〇)
ミナミヌマエビは最大2~3cm程度の小さな淡水エビです。
雑食性ですがメダカを襲うことはないので問題なく混泳することができます。
ミナミヌマエビの稚エビはメダカに見つかれば食べられてしまうことが多いですが、水草などで隠れ家を作ってあげることによって、ミナミヌマエビも自然繁殖をしながら数を減らさず飼育することが可能です。
水槽内の藻類やデトリタス、餌の残りなどを食べてくれるのでメダカ水槽のタンクメイトとしては非常に優秀です。
ただし、メダカより大きな魚も混泳させている場合にはミナミヌマエビの成体でも食べられてしまうことがありますので注意が必要です。
最大3cm程度の淡水エビで、水槽内のコケや餌の残りを食べてくれます。
メダカや熱帯魚などとの混泳にも向いています。
メダカとヤマトヌマエビの混泳(相性:△)
ヤマトヌマエビは最大でオスが3~4cm、メスが4~6cm程度の淡水エビです。
ミナミヌマエビと比較すると体が大きく、コケ取り能力も高いことが特徴です。
メダカを積極的に襲って食べるということは少ないですが、ヤマトヌマエビの餌が足りていない場合には弱っていたり動きが遅いメダカから捕まえて食べてしまうことがあります。
メダカとの混泳はできなくはないですが、メダカが食べられてしまう危険性がないわけではなく、メダカの卵も食べられてしまう可能性が高いです。
また、30cm以下の水槽などの小さい水槽では、特に大きくなるメスのヤマトヌマエビは目立ちすぎてしまうことがあるので、より小型のミナミヌマエビの方がメダカの安全性や鑑賞性の面で適しているといえます。
オスが3~4cm、メスが4~6cm程度のやや大型のヌマエビです。
コケとり能力が非常に高く、餌の食べ残しなどもしっかりと処理してくれるので、アクアリウムではよく使用されるエビです。
メダカとスジエビの混泳(相性:×)
スジエビは最大3.5~5cmほどのエビであり、雑食性ではありますが肉食傾向が強く、自然界では水生昆虫やミミズなどを捕食しています。
スジエビはテナガエビ科のエビであり、ハサミのついたやや長めの手(脚)を持っています。
小さな小魚を積極的に捕食することもあり、基本的にはメダカとの混泳はできません。
川や池などで採集した際や、エビのグラム売りなどでミナミヌマエビと混じっていた場合など、誤って水槽に混入してしまうとメダカが襲われてしまう可能性があるので注意が必要です。
このエビはどちらかというと、大型魚や爬虫類の餌として使用されることが多いです。
日本や朝鮮半島南部原産のエビです。
細かいスジ模様や大きく飛び出た眼、脚が長く前脚はハサミ状になっているのが特徴的なエビです。
メダカとその他の日淡との混泳の相性
メダカとその他の日淡の混泳(相性:×)
日淡でよく飼育される魚には他にも、フナやオイカワ、ウグイやハヤ、カワムツやムギツクなど、様々な種類がいます。
メダカと比較して大きくなる種類や泳ぎが上手くて動きが俊敏な種類が多く、メダカが口に入る大きさであれば捕食してしまう種類が多いです。
メダカと同程度の大きさの幼魚であれば問題ないことが多いですが、最終的には分けて飼育する必要があることが多く、大きさが同程度でも気性が荒い種類もいるので注意が必要です。
水槽の大きさやレイアウトなどの環境によっては混泳できる種類もあると思いますが、メダカとの混泳は慎重に考える必要があります。
メダカと金魚との混泳の相性
メダカと金魚の混泳(相性:×)
金魚は、フナの突然変異個体を元に交配を重ねた結果生まれた観賞魚であり、色や体型、ヒレなどに特徴を持った様々な品種が作られ、日本でも古くから親しまれている魚です。
大きさは最大15~30cm以上になり、大きく成長した金魚はメダカを食べてしまうため混泳はできません。
メダカと同程度の金魚の稚魚である場合は一時的に混泳できることはありますが、そのまま飼育しているとメダカと金魚の双方にとってストレスになることも多く、水槽のサイズや餌の量などによっては金魚は大きく成長してしまうので混泳はおすすめしません。
フナの突然変異個体を元に交配を重ねた結果生まれた観賞魚です。
色や体型、ヒレなどに特徴を持った様々な品種が作られ、日本でも古くから親しまれている魚です。
メダカと鯉(コイ)との混泳の相性
メダカと鯉の混泳(相性:×)
鯉は、最大60cm以上に成長する魚です。
野生種である野鯉(ノゴイ)は茶褐色~黒色をしていますが、改良品種の錦鯉は様々な色や模様の種類が作出されており、鑑賞用としても非常に人気の高い魚です。
金魚と同様、メダカと同程度の鯉の稚魚である場合は一時的に混泳できることはありますが、基本的には大きく成長してメダカにとっては脅威となる種類の魚ですので混泳はできません。
古くから親しまれてきたコイを観賞用に改良した錦鯉が多く作出されています。
メダカと日淡を実際に混泳させる前に考えること
- 無理な混泳はしないようにしよう
- 混泳の可否に絶対はない
- 混泳に失敗した場合も想定しよう
- メダカへのストレスを考えよう
メダカは小さく、自然界でも弱い魚ですので、混泳可能な日淡は限られてきます。
相性が悪い魚を混泳させてしまうと、メダカが食べられてしまうこともあります。
また、仲良く泳いでいるように見えてもメダカにストレスがかかっていて病気になりやすくなる場合もあります。
メダカと日淡を混泳させる際には、上記の相性を参考にし、できるだけ無理な混泳はしないほうが良いでしょう。
混泳については、この種類であれば絶対に大丈夫とか、絶対に無理というのは難しいです。
混泳については種類だけでなく、水槽の大きさやレイアウト、魚の数や導入する個体の性質などによっても状況が変わります。
例えばメダカと相性が良いカゼトゲタナゴであっても、小さめの水槽でメダカ1匹に対してカゼトゲタナゴが30匹とかいう状況ではメダカにとっては大きなストレスになると思います。
相性が△の種類についてはある程度の水槽の大きさがあったり、レイアウト次第では全く問題なく飼育できたりする場合もありますが、できるだけ混泳成功率が高い組み合わせにしておいた方が安心です。
混泳に失敗して問題が発生した場合には、隔離したり水槽を分けたりする必要が出てきます。
相性が〇の種類の場合は基本的には大きな問題は発生しないと思いますが、例えば相性△や×の種類を混泳させて問題が発生した場合はすぐに隔離や水槽を分けたりする必要が出てきます。
問題が発生してから隔離容器や別水槽を用意するのでは間に合わない場合もありますので、緊急隔離用の隔離ボックスや水槽、エアーポンプなどを用意しておくと安心です。
ただし、やはり混泳成功率が高い種類を選び、混泳に失敗しないようにするのが一番良いです。
メダカへのストレスを考えれば、メダカだけで水槽サイズや水量に対して少数でゆったりと飼育してあげるのが一番良いです。
相性が悪い魚が水槽内にいるとメダカにストレスがかかり、病気になりやすくなります。
相性が良い魚であっても数が多すぎたり過密飼育になっている場合にはストレスがかかりますし、水質の維持も難しくなりますので、できるだけ余裕を持った飼育を心がけましょう。
メダカと日淡の混泳水槽のおすすめの組み合わせを紹介
ここでは、メダカと日淡、さらには水草やエビなども一緒に問題なく混泳できるおすすめの組み合わせの一例を紹介します。
- メダカ
- カゼトゲタナゴ
- イトモロコ
- シマドジョウ(スジシマドジョウ)
- ミナミヌマエビ
この組み合わせでは、メダカが中層~上層付近を泳ぎ、カゼトゲタナゴが中層付近、イトモロコが下層付近、シマドジョウは底にいることが多く、各種で遊泳域が分かれるので混泳はしやすいです。
非常に温和でメダカにはあまり興味を示さない種類だけなので安心感が強いです。
また、水草に興味を示したり食べてしまう種類ではないので水草も安心して入れることができます。
ミナミヌマエビについては、稚エビは食べられてしまうこともあり、1cm程度に成長したエビもイトモロコに捕まってしまえば食べられてしまう場合もあります。
ただし、ミナミヌマエビも周りに自分より大きな魚がいると、明るい時間にはあまり姿を見せなくなりますし、襲われても俊敏に逃げるので、水草などの隠れられる場所が多ければ繁殖も可能で、数を減らさず維持することもできます。
私も現在この組み合わせでメダカを飼育しており、過去にもこれに近い組み合わせでメダカを飼育してきましたが、特に問題は発生せずに飼育ができています。
丈夫で人工飼料にもすぐ慣れる種類しかいないので飼育も簡単で非常におすすめの組み合わせです。
水質についてもメダカと同じく、酸性に大きく傾いていなければ問題なく飼育することができます。
ただし、メダカに対してカゼトゲタナゴやイトモロコが多すぎる場合はメダカにとってストレスになる場合がありますので、入れすぎには注意しましょう。
メダカと日淡の混泳水槽における餌について
メダカと日淡を混泳させる場合は、全ての種類の魚が偏りなく餌を食べられるように給餌する必要があります。
メダカは水槽の上層~表層を泳ぐので、水面付近に浮かんだ浮上性の餌や、ゆっくりと沈む餌を食べるのが非常に上手です。
メダカ専用の人工餌の場合は下の画像のような顆粒状のものや細かめなフレーク状のものが多く、メダカが食べやすいように工夫されています。
2種類の生菌がフンや残餌を分解する、フレークタイプのメダカ用フードです。
ビタミンD3などを含有し、高栄養価なので産卵繁殖用にも向いています。
他の日淡の魚も、水面付近に上がってくる魚の場合には、メダカ用の餌を食べることができ、問題なく飼育できることが多いですが、下層から底付近にいる魚はメダカ用の餌のみでは餌にありつけないことも多いです。
そのような場合には、ある程度沈みやすい餌も併用して、全ての魚に餌がいきわたるようにすると良いでしょう。
キョーリンの「川魚のエサ」はタナゴやモロコ、ドジョウなどのほとんどの日淡に向いている餌であり、程よい細かさで食いつきが良いのでおすすめです。
ゆっくり沈下するため魚が見つけやすく、水に溶けにくい顆粒状です。
タナゴ、モツゴ、オイカワ、ドジョウ、フナなどの日本産淡水魚が必要とする栄養をすべて含んでいます。
この餌はメダカもよく食べますが、指でつまんで軽く水面に叩きつけるように入れると沈んでいき、下層から底付近にいるイトモロコやドジョウなども食べやすくなります。
また、ドジョウについてはメダカや他の日淡の魚の餌を食べられている場合には問題ありませんが、餌の残りが少ない場合や、ドジョウが大きめで栄養が必要な場合には専用の餌も用意したほうが良いでしょう。
コメットの「ドジョウの主食」などのタブレット状の餌であれば簡単に底に沈めやすく、ドジョウも食べやすいのでおすすめです。
ドジョウが必要とする栄養をバランスよく配合した飼料です。
底にいるドジョウに合わせた沈下性、ドジョウの食べやすいタブレットタイプです。
この餌は他の日淡の魚やメダカも食べに来ますので、ドジョウのみに食べてもらいたい場合には、消灯後の魚が寝ている時間に投入しておくと、夜行性であるドジョウがしっかり餌を食べることができます。
ドジョウがメダカや他の日淡の魚の餌も食べている場合には毎日あげる必要はありませんので、週に1~2回などと調整するのも良いでしょう。
このように、色々な魚を混泳する場合には餌のあげ方には工夫が必要な場合が多いです。
水槽内で全ての魚が餌を食べられているかを良く観察し、飼育する魚の種類に合わせて餌の種類やあげ方を考えましょう。
まとめ
日本産淡水魚(日淡)とは
日本産淡水魚とは、その名の通り日本に古くから生息する淡水魚のことであり、日淡と略されることも多いです。
日本でなじみの深いメダカと日淡を混泳させることにより、日本の自然のような趣の深い水槽を作り上げることができます。
ただし、日淡は大きく成長したり、メダカを捕食してしまう種類も多いので、メダカと混泳できる種類は限られてきます。
メダカと日本産淡水魚(日淡)の混泳の相性まとめ
メダカとの相性 | 備考 | |
---|---|---|
カゼトゲタナゴ | 〇 | 問題なく混泳できる |
ニッポンバラタナゴ タイリクバラタナゴ |
△ | メダカよりやや大きくなる 婚姻色の出たオスは気性が荒くなる |
その他のタナゴ | × | 大きくなる種類が多い 気性の荒い種類が多い |
イトモロコ | 〇 | 問題なく混泳できる |
カワバタモロコ | △ | メダカを襲わないが 生活層が重なりやや大きくなる |
その他のモロコ | × | 大きくなる種類が多い |
シマドジョウ | 〇 | 問題なく混泳できる (小さめの個体を選ぶと良い) |
スジシマドジョウ | 〇 | 問題なく混泳できる (小さめの個体を選ぶと良い) |
マドジョウ | △ | メダカを襲わないが 夜間に活発に動くので 大きい個体はメダカのストレスになる |
ヒドジョウ | △ | メダカを襲わないが 夜間に活発に動くので 大きい個体はメダカのストレスになる |
ホトケドジョウ | × | 好奇心旺盛な個体は メダカを追い回したり ヒレをかじる場合がある |
その他のドジョウ | △ | 大きい個体はメダカのストレスになる 高水温や水質悪化に弱い種類も多い |
ツチフキ | 〇 | 混泳に問題はないが 餌のあげ方や水質悪化に注意 |
カマツカ | △ | 大きい個体はメダカのストレスになる 稀に小さいメダカを捕食することがある |
ヒナハゼ | 〇 | メダカとの混泳は問題ないが ミナミヌマエビなどの小さいエビは捕食する |
ヨシノボリ | × | メダカを捕食することが多い |
ミナミヌマエビ | 〇 | 問題なく混泳できる |
ヤマトヌマエビ | △ | 餌が足りていない場合には メダカを捕食することがある |
スジエビ | × | メダカを捕食することが多い |
その他の日淡 | × | 大きくなる種類が多い メダカを捕食する種類が多い |
金魚 | × | 大きい個体はメダカを捕食する |
鯉 | × | 大きい個体はメダカを捕食する |
メダカと日本産淡水魚(日淡)を混泳させる前に
- 無理な混泳はしないようにしよう。
- 混泳の可否は相性だけでなく水槽の大きさやレイアウト、魚の数や導入する個体の性質などにも左右される。
- 混泳に失敗した場合も想定して隔離ボックスや別の水槽、エアーポンプなどを用意しておこう。
- メダカへのストレスにならないように混泳魚の相性や飼育密度を考えよう。
- 水槽内のすべての生体に餌がいきわたるように餌の種類やあげ方を工夫しよう。
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