フィルター・濾過装置

生物濾過能力が高い多孔質ろ材の特徴や使い方

生物濾過能力が高い多孔質ろ材の特徴や使い方

アクアリウムで使用するフィルターや濾過装置には、通常「ろ材」と呼ばれるものを入れて使用します。

ろ材には様々な種類がありますが、水槽内の水をしっかりと濾過して水質を安定させるためには、ろ材の選択が非常に重要になります。

ここではアクアリウムにおけるろ材のひとつである、多孔質ろ材の特徴や使い方などについて詳細に解説します。




多孔質ろ材とは、表面に細かい穴がたくさん開いているろ材のことです。

多孔質ろ材とは

穴の中にバクテリアのコロニーを形成するため、通常のろ材よりも多くのバクテリアが定着します。

これにより高い生物濾過能力が期待できます。

多孔質ろ材の特徴

多孔質ろ材の特徴は以下の通りです。

特徴① 生物濾過能力にすぐれる

多孔質ろ材には無数の小さな穴がたくさん開いており、その穴に濾過バクテリアが定着します。

そのため通常のろ材よりも生物濾過能力が非常に高く、水槽内のアンモニアや亜硝酸などの有害物質を毒性の低い硝酸へ強力に分解してくれます。

生物濾過能力重視の多孔質ろ材は特に、エーハイムの「サブストラットプロ レギュラー」がおすすめです。

この製品は外部式フィルターなどで有名なエーハイム社が出しているろ材で、ろ材の中でも定番の商品なので使用している人も多く、実績があるので安心して使用することができます。

パッケージなし エーハイムサブストラット プロ レギュラー 1L
性能の高さと耐久性に定評のあるエーハイム製の高性能ろ材です。
1Lあたり約450平方メートルもの広い表面積と適切な直径の孔の多孔質ろ材であり、ろ過バクテリアのコロニー形成に最適の条件を備えています。

特徴② 形状によっては物理濾過も可能

多孔質ろ材は、ボール状やリング状などの様々な形状があります。

リング状のろ材の場合は大きなごみはしっかりキャッチすることができ、通水性が失われにくいので、形状的には物理濾過に適しています。

ボール状ろ材と比較して濾過槽に入れたときの密度は下がるので、バクテリアの定着量は若干劣りますが、リング状の多孔質ろ材は物理濾過も生物濾過もできるオールマイティーなろ材ということになります。

ただし、小さいごみに対する物理濾過を行うためには、スポンジやウールマットなど、また別の物理ろ材を使用する必要があります。

リング状ろ材などであらかじめ大きなごみをキャッチしておくことで、スポンジやウールマットなどがすぐに目詰まりをするのを防ぐ効果があります。

物理濾過もできる多孔質ろ材としておすすめのろ材は、エーハイムの「エーハイムメック」です。

こちらもエーハイム社の製品ですが、ちょうどよいサイズのリング状ろ材であり、洗っても簡単には壊れず物理ろ材として非常に優秀です。

また、前述のサブストラットプロには劣りますが、ろ材の表面積が大きく生物濾過の効果もあるので非常に使い勝手が良いです。

パッケージなし エーハイムメック 1L
セラミック製のリング状ろ材であり目詰まりを起こしにくく、ろ過バクテリアの着生も良好で耐久性が高いエーハイムの純正ろ材です。

また、ボール状ろ材の場合もある程度大きなごみはキャッチすることが可能であり、前段にリングろ材を設置するなどして大きなごみをあらかじめ取り除いておくようにすれば通水性も維持しやすいです。

ただし、ごみが溜まったり多孔質ろ材の表面に汚れが付きすぎると、ろ材表面の穴が塞がってしまい、生物濾過能力が低下する場合があります。

経験上、汚れたろ材でも通水性が維持できていればある程度の生物濾過能力は維持されるので、アンモニアや亜硝酸が急に発生するということはないですが、物理濾過も兼ねるのであれば定期的に洗浄して汚れを落としてやる必要があります。

ボール状ろ材やリングろ材は物理ろ材としても働くがごみが溜まると生物濾過能力が低下する

特徴③ 洗って再利用が可能

多孔質ろ材は定期的に洗浄する必要がありますが、ほとんどのろ材は耐久性がありますので洗って再利用が可能です。

メーカーによっては数カ月から2年程度でのろ材の交換を推奨しているものもありますが、濾過バクテリアを定着させるという機能に限ってはろ材がすり減って消滅しない限りはある程度の機能を保って長期使用が可能です。

10年以上、定期的に洗ってメンテナンスをしながら使用しているろ材がありますが、アンモニアや亜硝酸が検出されたという経験はありません。

割れてしまったろ材でもバクテリアは定着しますので、機能面では問題なく使用することができます。

ただし、ミネラル添加機能やPH調節機能、イオン吸着機能などの濾過バクテリア定着機能以外の効果については、それらの効果は有効期限が過ぎたら消えてしまいますので注意が必要です。

また、ろ材を洗浄する際には飼育水かカルキ抜きをした水を使用し、バクテリアが死滅しないように軽くすすいでごみを取り除くようにすると良いです。

多孔質のボール状ろ材やリングろ材は定期的に洗浄して再利用が可能

ろ材をネットに入れて濾過槽に入れておけば、洗浄する際に非常に楽になりますのでおすすめです。

ろ材ネット
各メーカーより様々なろ材ネットが販売されています。

特徴④ 使わなくなったら煮沸殺菌して長期保存が可能

水槽のリセットや撤去などで、今まで使用していた多孔質ろ材を使用しなくなった場合は、煮沸して殺菌し乾燥させることで清潔に長期保存することが可能です。

この方法で保存する場合は、水道水で良いのでしっかりとすすいでごみや汚れを落とします。

その後、鍋に入れて10分程度茹でます。

多孔質のボール状ろ材やリングろ材を煮沸殺菌して長期保存

これでほとんどの菌を殺菌できたので、あとは乾燥させます。

多孔質ろ材は煮沸除菌して乾燥させれば長期保存が可能

しっかり水分が飛ぶまで3日くらい放置したら袋に入れて保存しておき、また使いたい時が来たら使用します。

このように、多孔質ろ材は洗って再利用も可能で煮沸殺菌して乾燥させれば清潔に長期間保存もできるので、一度買ってしまえばコストパフォーマンスが非常に良いろ材であると思います。

ほとんどのろ材でこの方法で長期保存が可能ですが、一部のろ材では熱に弱いものや割れてしまうろ材もある可能性がありますので、ろ材の材質を確認したり、心配であれば煮沸の際にまずは一部のろ材でテストしてみることをおすすめします。

多孔質ろ材の使い方

多孔質ろ材の使い方① 外部式フィルターに

外部式フィルターには多くのろ材が入りますので、多孔質ろ材をたくさん入れて使用している人も非常に多いです。

特に、ストレーナースポンジを使用しない場合は、濾過槽に大き目のごみも多く入ってきますので、リング状のろ材や粗目のスポンジを入れて大きいごみをキャッチしつつ通水性を保ち、その後にボール状の多孔質ろ材を入れると良いと思います。

外部式フィルターの物理ろ材としてリング状ろ材やスポンジを入れる

また、外部式フィルターのモーターの羽の部分(インペラー)にろ材の破片などが入り込むのを防ぐために、多孔質ろ材の後の最後の部分に目が細かめのスポンジやウールマットなどを入れておくと良いでしょう。

外部式フィルターの多孔質ろ材の後にスポンジやウールマットなどを入れてインペラーを保護

エーハイム社の外部式フィルターでは、このような物理濾過用のリングろ材や粗目スポンジ、生物濾過用の多孔質のボール状ろ材とウールマットがセットになった製品も販売されています。

ろ材の選択に迷う場合はそういった製品を使用するのも良いと思います。

エーハイム クラシックフィルター 2213 ろ材付きセット
定番の外部式フィルター、エーハイム クラシックフィルター2213とバクテリアの着生用の生物ろ材「サブストラット プロ レギュラー 900ml」とセラミック製リング状の物理ろ材「エーハイムメック 600ml」がセットになった商品です。

ストレーナースポンジを使用する場合は、物理濾過はスポンジでなされているので、濾過槽の中身は生物濾過用の多孔質のボール状ろ材やインペラー保護用のスポンジやウールマットだけでも良いです。

ただし、リングろ材や粗目スポンジにもバクテリアはある程度定着しますので、上の製品のようなセットのろ材でそのまま使用していても特に大きな問題はありません。

多孔質ろ材の使い方② 上部式フィルターに

多孔質ろ材は上部式フィルターにもよく使用されます。

上部式フィルターの場合は、濾過槽のフタを開けて簡単にメンテナンスができるので、一番上にウールマットを敷いて細かいごみから大きなごみまでしっかりと物理濾過をしてしまい、その下に多孔質ろ材などの生物ろ材を入れることが多いです。

上部式フィルターの生物ろ材として多孔質ろ材を使用する

これにより、日ごろのメンテナンスはウールマットが汚れたら交換するだけで良いので非常に楽に管理できます。

多孔質ろ材を使用する場合は、ろ材がしっかり水に浸かるウェットの状態で使用したほうが良いので、上部式フィルターの水位が浅い場合はペットボトルを切って丸めたものなどを排水口に差し込んで水位を調整すると良いでしょう。

上部式フィルターの水深を深くして多孔質ろ材を使用する

ただし、120cmや180cm水槽用などの大型水槽用の上部式フィルターでは濾過槽が大きい分重量も非常に重くなりますので、水槽の強度や床の耐荷重が気になる場合は水位は浅いままで生物ろ材はスポンジなどを使用し、半ドライの状態で使用するのが良いと思います。

多孔質ろ材の使い方③ オーバーフローフィルターに

濾過槽の容量が大きいオーバーフローフィルターにも多孔質ろ材を入れると強力に生物濾過が行われるため、非常におすすめです。

多孔質ろ材の前段としてウールボックスを設置し、ウールマットによりごみを取り除くようにしておけば、濾過槽内にごみが入るのを防いでメンテナンスが非常に楽になります。

多孔質ろ材はオーバーフローフィルターにもおすすめ

多孔質ろ材の使い方④ その他のフィルターの生物ろ材として

多孔質ろ材は、外掛け式フィルターや投げ込み式フィルターなどの純正ろ材の代わりに使用されることも多いです。

通常それらの純正ろ材は使い捨てであり、定期的に交換が必要なのでランニングコストが高くなりますが、多孔質ろ材は洗って再利用できるので経済的です。

外掛け式フィルターではウールマットやスポンジなどで物理濾過を行った後の水が生物ろ材である多孔質ろ材を通るようにすると非常に効率よく濾過が可能です。

日ごろのメンテナンスもウールマットを交換したりスポンジを揉み洗いするだけで良いので簡単です。

外掛け式フィルターに多孔質ろ材を入れて経済的に生物濾過能力を強化

また、投げ込み式フィルターに純正ろ材の代わりに多孔質ろ材を入れて使うのも良いです。

洗って再利用できるので経済的ですし、生物濾過能力が非常に高いです。

ウールマットやスポンジを使用しない場合は細かいごみを濾過する能力はないですが、ある程度大きなごみはキャッチしてくれるので、定期的にすすぎ洗いをして使用していくと良いでしょう。

投げ込み式フィルターに多孔質ろ材を入れて生物濾過を強化して経済的に使用する

まとめ

多孔質ろ材は表面に細かい穴が多数あり、その中にバクテリアのコロニーを形成するため通常のろ材よりも多くのバクテリアが定着し、高い生物濾過能力が期待できます。

また、リング状のものは大きなごみをキャッチすることができ、通水性も損なわれにくいので物理濾過にも適しています。

ボール状ろ材の場合もある程度ごみをキャッチする能力はありますが、多孔質ろ材を物理濾過も兼ねて使用する場合は、ある程度ごみや汚れが溜まったら定期的にすすぎ洗いしてメンテナンスをするようにしましょう。

ほとんどの多孔質ろ材はある程度の耐久性はあるので、メンテナンスをしながら長期間使用することが可能であり、使用しなくなったら煮沸殺菌して乾燥させることで清潔に長期保存することも可能なのでコストパフォーマンスが非常に高いです。

多孔質ろ材は、その生物濾過能力の高さから、外部式フィルターや上部式フィルター、オーバーフローフィルターなど、様々なフィルターや濾過装置に使用されており、外掛け式フィルターや投げ込み式フィルターの純正ろ材の代わりとして使用されることもあります。

生物濾過能力を向上したい場合や、高いコストパフォーマンスを求める場合には是非とも選択したいろ材です。




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