アクアリウムを始める前に考えること

水槽の大きさや重さと床の耐荷重の確認

水槽の大きさや重さと床の耐荷重の確認

水の入った水槽は結構重いです。

賃貸に住んでいる人は基本的には120cmを超えるような大きな水槽は置けません(総重量を伝えて許可が出ればOKですが稀です。)し、個人の持ち家でも補強の必要が出てくるかもしれません。

水槽と水、水槽台やその他機器類を合わせると大型水槽ではかなりの重量になりますので、しっかりと確認しておく必要があります。

ここでは設置する水槽がどの程度の重さになるのか、一般的な床の耐荷重はどのように考えればよいのかについてご紹介します。




まずは空の水槽の重さと水の重量についてです。

水槽には大きく分けてガラス水槽とアクリル水槽、プラスチック水槽などがあります。

中でもガラス水槽とアクリル水槽が強度の面からも多用されており、プラスチック水槽は小型水槽に使われることが多いです。

ここでは大型水槽にも対応する、ガラス水槽とアクリル水槽の重さについて考えていきます。

下の表はガラス水槽とアクリル水槽単体の大きさごとの重量と入る水の量を示します。

※この表の数値は大まかな値です。水槽の壁厚や形状によって重さは大きく変わりますので、購入前に個別に製品情報の確認や製品元に確認をする必要があります。

水槽の種類 水槽の大きさ
幅×奥行×高さ
[cm]
ガラス水槽の
重量[kg]
アクリル水槽の
重量[kg]
水の量
[L] or [kg]
20cmキューブ 20×20×20 3 1 8
25cmキューブ 25×25×25 5 2 15
30cm規格 30×18×24 4 2 12
30cmワイド 30×24×24 5 2 17
30cmキューブ 30×30×30 6 3 27
45cm規格 45×24×30 7 3 32
45cmワイド 45×30×30 9 4 40
45cmキューブ 45×45×45 20 7 91
60cm規格 60×30×36 14 7 64
60cmワイド 60×45×45 24 10 121
60cmキューブ 60×60×60 50 20 216
90cm規格 90×45×45 40 15 182
120cm規格 120×45×45 60 20 243
180cm規格 180×60×60 50 648

45cm程度であれば水槽の重量はそれほど重くありませんが、より大きい水槽になると重量が一気に大きくなります。

水槽が大きく深さがある場合、水圧に耐えられるように一般的に水槽の壁厚を厚くする必要があるため、大きな水槽ではより重量が増します。

また、水槽の中に入れる水の重量は1L当たり1kgであり、水槽単体の重量に水の重量も加算されることになります。

ガラス水槽とアクリル水槽では重さが大きく異なり、アクリル水槽ではガラス水槽の半分以下程度の重さになります。

90cm規格水槽以上のガラス水槽などでは、一人で持ち運ぶのは非常に困難になりますので、比較的軽いアクリル水槽が多く用いられたりもします。

水槽を選ぶ際には自分で扱える重量であるかをしっかり確認するようにしましょう。


ガラス水槽
各メーカーより様々なガラス水槽が販売されています。


アクリル水槽
各メーカより様々なアクリル水槽が販売されています。

水槽の総重量

水槽全体の総重量は、水槽単体の重さと水の重さ、水槽台や濾過装置、レイアウト用の石や底砂などの重さをすべて足したものになります。

例えば私の家ににある60×45×45cmの60cmワイド水槽(アクリル水槽)の場合の水槽全体の総重量について考えてみます。

水槽全体の総重量を計算してみよう

水槽が約10kg、水が満水時で約121kg、水槽台(プロスタイル600Lブラック)が約23kg、濾過装置(エーハイムクラシック2215)が約10kg×2台、レイアウトの石が約10kg、底砂(大磯細目)が約10kgです。

満水時で計算しているので多少過大評価ですが、合計すると191kgになります。

さらに照明器具やメタルラックなど、周辺に置いている場合はその重量も加算されます。

私の水槽はざっくり200kg程度と考えています。

水槽って意外と重いですよね。

人が近くに寄ったら人の重量も加算されることも考慮しなければなりません。

続いては床の耐荷重について考えていきます。

床の耐荷重

現在の建築基準法では、「住宅の居室、住宅以外の建築物の寝室または病室」における床は、人や家具などを1平方メートルあたり約180kg以上載せることができるように設計することとなっています。

例えば先ほど計算した私の家ににある60×45×45cmの60cmワイド水槽の場合、水槽台の底の面積が約0.27平方メートルであり、重さが200kgです。

これは1平方メートルあたりに直すと約741kgとなり、余裕で基準をオーバーします。

しかし、この考え方でいくと、水だけを考えたとしても底面積にかかわらず水深18cmを超えると基準をオーバーしてしまいます。

2Lのペットボトルも余裕でオーバーしますし、20cmの水深まで水を入れたメスシリンダーもアウトです。

数十kgある私たち人間も小さな足の面積で床の上に乗りますが床は抜けないですよね?

つまりこの「1平方メートルあたり約180kg」というのはそういう考え方ではないのです。

この基準はある程度人や家具が集中して置かれることも考慮しているので部屋の総面積と総重量で考えればOKです。

例えば10平方メートルの部屋であれば1800kgの重量にも耐えられるように設計されているということになります。

こう考えると結構重いものも置けると感じると思いますが、この基準内であれば極小面積に超重量物を置いても大丈夫というわけではありません。

底面積が小さすぎるとフローリング自体にダメージを与えて跡がついてしまう可能性もありますし、床の荷重分散性能によっては支える柱の数が少なくなり床が抜けてしまうこともあります。

この荷重分散性能は床下の構造によって異なりますので、大きい水槽を設置したい場合は、事前に実際の設計図を確認したり、建築家に相談する必要があります。

床の構造と補強工事

住宅の構造は、大きく木造建築コンクリート造りに分けられます。

まずは木造建築について考えていきます。

木造建築の場合

一般的な木造建築の住宅の床下は下の図のようになっています。

水槽を支える床の構造

部屋の一部に重量物が置かれても、その下にある根太や大引がある程度荷重を分散して床束や束石に伝える構造になっています。

自分の持ち家であれば、水槽やピアノ、大きな棚などの重量物を置く場所の根太の間隔を狭くするなどして荷重分散性能を向上させ、補強することが可能です。

大型水槽を置いている人の中では自分で床下に潜って、水槽の設置位置の真下に床束を数本追加したりする人もいます。

コンクリート造りの場合

鉄筋コンクリート造りの床はどうでしょうか。

なんとなく強いというイメージがありますよね?

鉄筋コンクリート造りの場合は直床工法二重床工法があります。

直床工法はコンクリートスラブの上に直接床板を貼る工法なので、大きな水槽を設置する場合には有利です。

一方、二重床工法はコンクリートスラブと床の間に金属支柱を用いて空間を作り、配管を通したり遮音性を向上させたりする工法です。

この工法は木造建築と同様に床を支柱で支えていますが、あまりに重いものを一か所に設置してしまうと、支持ボルトの先についているゴムがつぶれてしまい、その分床が下がって傾斜がついてしまうことがあります。

ですので、鉄筋コンクリートだからといって、すべての住宅で大型水槽を置けるというわけではありません。

木造建築でもコンクリート造りでも、事前に実際の設計図を確認したり、建築家に相談する必要はあります。

補強工事については、自分の持ち家であれば自由に行うことができますが、賃貸だと交渉したとしても基本的には不可ですので気を付けましょう。

工事なしで床の荷重分散性能を向上させる方法

一般的な床で補強工事をしない場合、大型水槽の設置は難しいですが、120cm水槽程度であれば水槽台の下に面積の広い板を敷くだけで設置している人もいます。

水槽台の下に面積の大きな板を敷くことにより重さを床に伝える面積が大きくなり、床を支える根太や大引、床束の数が増えるため、床への負担が小さくなります。

使用する板は耐水性があり、圧力を均一に伝えられるように厚みがあって反りにくい板が適しています。

よく使われる板はコンパネ(コンクリートパネル)構造用合板で、どちらもホームセンターなどで売られているので入手は簡単です。

コンパネを用いる方法

コンパネはコンクリート型枠用に用いられる板で、900mm×1800mmで厚みが12mmのものが主流です。

コンパネ自体が耐水性が高い板なのですが、ウレタン塗装をしてあるものはさらに耐水性が高くなり、表面も滑らかになるのでオススメです。

大型水槽の場合は水槽の下にコンパネや構造用合板などの板を敷いて荷重を分散させよう

構造用合板を用いる方法

構造用合板は、複数枚数の単板(ベニヤ)を繊維方向を交互に重ねて熱圧接着したものであり、構造耐力上主要な部分に用いる目的で作られた合板で、木造建築物の壁下地材や床下地材、屋根下地材などに用いられています。

厚みは9 mm、12 mm、15 mm、18 mm、24 mm、28mmなど、サイズも910mm×1820mmなど豊富にありますが、反りにくさを考えると24mm以上のものを選んだほうが良いでしょう。

また、構造用合板は日本農林規格 (JAS) で規格が定められており、接着性能や等級、板面の品質、ホルムアルデヒド放散量などを示すスタンプが押されています。

水槽台の下に敷く目的では特に接着性能とホルムアルデヒド放散量が重要です。

必ず接着性能は特類、ホルムアルデヒド放散量はF☆☆☆☆のものを使用しましょう。

特類であれば耐水性があり、F☆☆☆☆であればシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドの放散量が少ないので安心です。

水槽の下に敷く構造用合板は接着性能とホルムアルデヒドの放散量をチェックしよう

個人的にはコンパネよりも厚く、頑丈なものが手に入りやすい構造用合板の方が荷重分散目的で水槽台の下に敷く板としては良いと考えています。

また、このような合板は板面に節があって凹凸があったり、表面がささくれになっているものなどもあります。

板の上にマットを引くなどしてある程度対処することが可能ですが、ホームセンターなどで現物をみて問題がないことを確認してから購入するのが良いと思います。

ホームセンターなどでは基本的に好きな大きさにカットしてもらえるので、水槽設置場所の大きさに合わせて使用することが可能です。

大型水槽設置なら壁際が安全

一般的な建物は構造にもよりますが、外壁の壁際は太い梁が入っていたり床を強固に支えているため、床の強度が高いことが多いです。

逆に部屋の中央は外壁付近と比べて床の強度が低い可能性もあるので、補強工事をしない場合、大型水槽を設置するなら壁際の方が良いと考えられます。

ただし、壁にぴったりとくっつけてしまうと万一水がこぼれたときに拭くことができなかったり、湿気がこもったり作業もしずらくなりますので、ある程度壁から離す必要はあると思います。

まとめ

水槽は意外と重く、特に大型になると水槽も入れる水も非常に重くなります。

水槽を選ぶ際には自分で扱える重量であるかをしっかり確認するようにしましょう。

水槽単体の重量では、アクリル水槽はガラス水槽より軽く、半分以下程度の重さになります。

水槽全体の総重量は、水槽単体の重さと水の重さ、水槽台や濾過装置、レイアウト用の石や底砂などの重さをすべて足したものになります。

この総重量に人が近づいた際の人の重量も加算して床の耐荷重を考える必要があります。

一般の住宅では1平方メートルあたり約180kg以上、例えば10平方メートルの部屋であれば1800kgの重量にも耐えられるように設計されていますが、床の荷重分散性能によっては一か所に超重量物を設置するのは危険な場合があります。

水槽設置場所の床下に補強工事を行ったり、床の荷重分散性能を向上させるためにコンパネや構造用合板を水槽台の下に敷いたりすることで、ある程度床への負担を低減することができますが、補強工事については賃貸の場合は不可なことが多いです。

また、構造にもよりますが一般的には部屋の中央よりも外壁付近の方が床の強度が高いことが多いので、水槽は外壁付近に設置したほうが安心です。

現状の住まいでどの程度の大きさの水槽まで設置可能かというのは、その建物の設計図をもとに専門家に確認する以外で確実な答えは出ませんので、特に大型水槽の設置をする場合は必ず確認するようにしましょう。


ガラス水槽
各メーカーより様々なガラス水槽が販売されています。


アクリル水槽
各メーカより様々なアクリル水槽が販売されています。




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