これから水槽を設置してアクアリウムを始める際には、水槽の設置場所は非常に重要になります。
水槽を立ち上げてからでは移動がかなり大変ですので、よく考えてから設置しましょう。
今回は水槽の設置場所について事前にチェックすることをまとめてみました。
床が水平で凸凹していないこと
床が水平でないと水槽台や水槽が傾いてしまいます。
水槽や水槽台が傾くと荷重も斜めにかかるので、一部に負荷が集中し、最悪の場合水槽が割れたり倒壊の危険性があります。
水槽の設置をする前に必ず床の水平を確認しましょう。
もし持っていれば、水準器を使って床の水平をみるのがベストです。
高精度でコンパクトな水準器。持っておくと便利です。
100円ショップの水準器は精度が悪く使い物にならないものも多いので注意しましょう。
水準器がない場合は目視でしっかり確認をしてください。
水槽台と空の水槽を置いたときに目視で傾いているのがわかる状態だとアウトです。
問題なければ試しに水を入れて、下図のように水槽のふちから水面までの距離を四隅で測ります。
この確認は魚や他のものを入れる前に行ってください。
水槽が傾いていなければ4か所とも同じ距離になるはずです。
定規での測定誤差もあるので、距離が1~2mm程度の誤差なら大きな問題はないといえます。
また、凹凸がないかもしっかり確認しましょう。
凹凸は傾きの原因にもなりますし、荷重を面でしっかり分散して受け止めることができないので、これも同じく水槽が割れたり倒壊する原因になります。
目視確認をし、触ってみて確かめましょう。
床の水平、凹凸を確認して難があった場合は危険ですので潔く設置場所を変更しましょう。
床の強度が弱くないこと
床の強度も重要です。
現在の日本の建物であれば、60cm水槽や90cm水槽を置いたくらいではすぐに床が抜けたりすることはないですが、古い家や床が腐っている場合などは危険です。
また、水槽は長期に渡って床に負荷をかけるので、長い時間をかけて床がゆっくり沈んでいく可能性もあります。
人が乗って明らかに沈み込む場合やベコベコしているような床に水槽を設置してはいけません。
水は結構重いですので、そのような床だと抜けてしまう可能性はあります。
大きくない水槽であれば、最近の建物の場合はそれほど気にする必要はないですが、強度がなかったり不安定そうな場所に水槽を置くのはやめましょう。
120cm以上などの大きい水槽を設置する場合には、必ず床の強度が十分であるか、補強の必要がないかを確認するようにしましょう。
コンセントが近くにあること
アクアリウムでは基本的にはフィルターやエアレーション、ヒーター、照明などに電気を使用します。
ボトルアクアリウムや生体数の少ない小型水槽では一切電気を使用せずにできる可能性はありますが、後から機器を導入することになった場合に面倒なのでコンセントが近くにある場所に設置したほうが良いです。
また、コンセントが近すぎると水がはねたりこぼれたりしたときに水がかかって漏電の危険があります。
もし水槽が倒れたとしても付近の壁コンセントや延長コードには水がかからない場所に設置しましょう。
下の写真のように、水がかかりそうにない場所のコンセントからつないだ延長コードを、水槽よりも高い位置に設置するのがベストです。
それが難しい場合は、水がかかりそうにない場所のコンセントからつないだ延長コードを水槽台の内部に取り付けるのがおすすめです。
その際には、水が延長コードを伝ってコンセントに入ることがないように、コードをピンとはらずに少したるませておきましょう。
上の画像では延長コードを粘着マジックテープで水槽台に固定しています。
万が一、延長コードのコンセント部に水がかかってしまっても大丈夫なように、漏電保護タップを使用するとより安心できます。
水道が近くにあること
水換えの時などは、直接ホースで水を水槽まで送るようなことをしない限りはバケツなどで水を運ぶことになります。
また、水槽からの廃水も同様に運ぶことになるので、導線が長いと疲れます。
水をバケツで運ぶのは結構大変で、バケツを持って1階から2階まで往復するとかそういう状態だとさすがに水換えが億劫になります。
私は大きい水槽の場合20リットルのバケツで換水作業をしますが、大体18リットル入れるので18キロのバケツを運んでいます。
距離が短いのでそこまで疲れませんが、遠かったり、ましてや階が違ったりしたらさすがに厳しいです。
小さいバケツだと回数を増やさないといけないのでそれも手間になります。
メンテナンスのモチベーションにも関わりますので、水回りに近い場所を選ぶのが良いです。
水槽周りに十分なスペースがあること
水槽の掃除や水替え、レイアウト変更などをする際に、水槽の周りにスペースがないと作業がかなりやりずらいです。
水槽の中に手を突っ込むときも体が入る場所がないとやりにくいですし、水をこぼしてしまった時もふき取りずらいです。
作業中、バケツを置いたりもしますので、水槽周りは人が楽に通れるくらいのスペースは空けておいたほうが無難です。
水槽設置の段階で水槽のメンテナンスをする自分を想像しながら、スペースに問題がないか確認してみてください。
直射日光が当たらないこと
直射日光は水槽の温度上昇や苔の大量発生を起こす原因になります。
メダカを飼育する場合は日光が大事とされており、日が当たる場所に置くことを推奨される場合がありますが、やはり直射日光は避けたほうが良いです。
日光を入れたいのであれば、直射日光が入らない明るい場所程度にしたほうが無難です。
私の場合は部屋の照明や水槽を照らすライトを使用しており、日光は必要ないので遮光カーテンで一切入らないようにしています。
これでメダカも苔がない状態で問題なく飼育できているので、諸説ありますが日光が必須というわけではないと考えています。
日光が入るとやはり苔が生えやすくなって掃除が面倒なので、日当たりが良い場所への設置はおすすめしません。
また、アクリル水槽を使用する場合は直射日光の紫外線によりダメージを受けてクラックが発生する可能性があります。
すぐさま水槽崩壊ということにはならないと思いますが、アクリル水槽を使用する方は一応気を付けましょう。
極端な高温や低温でないこと
水槽で飼育する生体は極端な高温や低温が苦手です。
熱帯魚では20度から28度程度が適した水温だと言われていますが、15度を下回ったり33度を超えてくるとかなり厳しくなってきます。
適応水温域が広い金魚では0度から33度程度でも生存可能ですが、高温や低温状態ではあまりいい環境とは言えないです。
屋外や機械の排熱口の近くなどに水槽を設置すると、夏や冬は温度が厳しくなる可能性があります。
飼育したい生体の適応範囲を事前に調査し、水槽設置場所の環境が悪ければ、ヒーターやエアコンなどで温度調整をすることを検討したほうが良いと思います。
また、人がいるときだけエアコンがついている部屋など、温度が短時間で急激に変わるような環境は生体に大きな負担をかけるので特にNGです。
適温領域でできるだけ温度変化がないような環境が望ましいです。
ドアの近でなく振動が少ないこと
魚は種類にもよりますが振動には敏感です。
声や音はほとんど聞こえていないようなのですが、床に重いものを落としたり、ドアの近くで思いっきりドアを閉めたりしたらびっくりします。
ドタバタ走り回るような場所の近くにも置かないほうがいいです。
そのような環境では危ないですし魚が落ち着きません。
平気な魚は平気なので問題ないこともありますが、急な振動はストレスになり、病気の原因にもなるのでできるだけ静かな場所に水槽を設置しましょう。
まとめ
まず、水槽を設置する前に、床が水平で凹凸がなく、十分な強度があるかを確認します。
大きな水槽を設置する場合は補強が必要になる場合もありますのでよく確認してください。
また、電気を使うことが多いのでコンセントが近くにあったほうが望ましく、換水作業を楽にするためにも水道も近くにあったほうが良いです。
そして、メンテナンス性を考えれば水槽周りには十分なスペースがあることが望ましく、苔の大量発生の原因になる直射日光が当たらない場所を選択するようにしましょう。
魚は基本的に極端な高温や低温、急激な温度変化はNGです。
飼育する生体の適温領域でできるだけ温度変化がない場所が望ましいですが、難しければヒーターやエアコンで調整しましょう。
できれば魚にストレスを与えないよう、大きな振動が起こらない静かな場所で飼育しましょう。
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