アクアリウムにおいて水槽で魚やエビなどの飼育をする際には、エアレーションを行うことにより酸素供給や濾過を効率的に行うことができたり、他にも様々な効果があります。
エアレーションの効果や注意点については以下の記事でまとめていますのでそちらもご覧ください。
このページでは、エアーチューブを用いてエアーポンプに接続して使用するエアーストーンやエアカーテンなどの種類について詳しく解説し、用途ごとの選び方やおすすめを紹介していきます。
エアーストーンとは
エアーストーンは、エアーチューブを用いてエアーポンプに接続して使用するものであり、細かい穴がたくさんある石です。
エアーポンプによって送り込まれた空気がエアーストーンの穴から細かい泡となって水槽内に放出されます。
セラミックなどの石のような材質でできたものが多いですが、チューブを用いたエアカーテンなど、材質や形状、大きさは様々なものがあります。
エアーストーンの種類
エアーストーンの種類① 局所(小型)タイプ
小さなエアーストーンの場合は、設置した場所の局所のみで泡が発生します。
これにより、水槽の一部のみの水面が揺らされることになりますが、小型水槽であれば十分な酸素供給能力はあると思います。
泡による上向きの水流も局所のみで発生するので、水槽全体での水流は穏やかでゆっくりと水が循環するような感じになります。
エアーストーンの種類② 横長タイプ
横に長いタイプのエアーストーンは泡が一列に発生するので、エアーの量にもよりますが、局所(小型)タイプのものと比較して水面を揺らす面積が大きくなり、水の循環も多くなります。
そのため、より効率的な酸素供給の効果が期待できます。
水槽の背面付近に設置すれば後述のエアカーテンのように、泡の壁を作ることも可能です。
エアーストーンの種類③ エアカーテン
エアカーテンは泡による酸素供給や水の循環を促すだけでなく、泡の壁を作ってインテリア性を向上させることができるアイテムです。
小さな穴の開いたチューブでできていて、曲げたり変形ができる製品が多いです。
水槽背面にエアカーテンを設置するだけで水槽全体がさわやかな雰囲気になります。
チューブ性の場合はエアカーテン自体も細く目立ちにくいのでレイアウト水槽での使用も非常におすすめです。
エアーストーンの種類④ オブジェタイプ
エアーストーンの中には、オブジェとして使えるタイプのものもあります。
例えば以下の製品のような可愛らしい河童の置物から泡が出る製品も販売されています。
直径約5cmの円盤状のエアストーンをセラミック(焼き物)の台座に乗せたエアストーンです。
台座の下の部分は空洞になっていますので魚の隠れ家としてもお使いいただけます。
ネイチャーアクアリウムで自然な美しさを目指すのであればオブジェタイプのものは適しませんが、メダカや金魚水槽などではあえてこのような人工物を入れるレイアウトも、可愛らしく涼し気で非常に良くマッチします。
エアーストーンの選び方
エアーストーンには多くの種類があり、自分の水槽に合った製品を使用する必要があります。
ここでは水槽環境別のエアーストーンの選び方のコツを解説していきます。
水流の苦手なメダカなどの場合
小型水槽でメダカなどを飼育する場合は、少数飼育であればエアレーションがなくても、フィルターや濾過装置による水の循環だけで十分な酸素濃度が得られる場合が多いです。
しかし、そのような場合においても水槽内の緩やかな水の循環を促し、病気発生の原因となる淀みや嫌気領域を減らしたり、水中酸素濃度をさらに上昇させて生体やバクテリアの活性化をさせたい場合はエアレーションは非常に有効です。
過密気味の場合や大き目の水槽で飼育する場合はエアレーションの必要性がより大きくなります。
ただし、メダカやベタなどは一般的に水流が苦手であり、水槽全体の流れが強いとストレスになってしまいます。
そのため、エアーストーンは局所タイプの小さいものにすると、水流が強いのは水槽の中の一部だけになるので水流が苦手な魚でも安心して飼育できます。
横長タイプのものやエアカーテンなどを使用したい場合はエアーの量を調整して、水流が強くなりすぎていないかをよく確認して使用すると良いと思います。
特に水槽が小さい場合ではエアレーションによる水流の影響は大きくなりますので注意が必要です。
また、以下の製品のような、横長タイプのものでも比較的小さなものを選んで使用するのも良いと思います。
細かい泡、均一な泡、型くずれしない高温焼結エアーストーンです。
上の画像のようにメダカ水槽などではエアーの量を弱めに調整して使用するのが良いと思います。
エアーの量が調整できる下の商品のようなエアーポンプと組み合わせて使用すると良いでしょう。
静かといわれるエアポンプの代表ともいえる「水心」シリーズ。
ダイヤル式でエアの量が調節でき、特殊設計の消音室 でエアを滑らかにして不快な音をなくし、従来型の1/3(当社比)まで静音を実現しました。
水流が苦手なタナゴや小型の川魚についても同様に局所タイプのエアーストーンがおすすめです。
見た目重視のレイアウト水槽の場合
見た目重視のレイアウト水槽の場合は、エアーストーンやエアーチューブが見えないようにしたほうが良いと思います。
局所タイプのエアーストーンなど、小さいものであれば水草や流木などの後ろに隠して設置することが可能です。
下の製品は、均一で細かい泡が出るのでレイアウト水槽にも非常におすすめです。
1200度の熱で焼成したセラミック製のエアストーンです。
長期間使用しても形が崩れず、また細かい泡が維持されます。
また、エアーチューブについては通常の白色よりも黒色のものを選んだほうが目立ちにくいです。
水槽のバックスクリーンを黒にしておくと、より目立ちにくくなります。
温度変化に強く、いつまでもしなやかさを保つソフトタイプのエアーチューブです。
色が黒なのでレイアウトの邪魔になりません。
泡もレイアウトの一部として楽しみたいという場合には、エアカーテンがおすすめです。
チューブ製のエアカーテンの場合は、柔軟性があるため好きな形状にすることができ、黒色なので目立たずに設置することが可能です。
各メーカーより様々なエアカーテンが販売されています。
ただし、チューブ製のエアカーテンは柔軟性があり導入や設置が楽ですが、セラミック製のエアーストーンと比較して泡の細かさが劣ることが多いです。
細かく、均一なエアカーテンにしたい場合は以下のような製品がおすすめです。
細かく均一な泡が出るセラミックストーンです。
水槽のエアカーテンとしても楽しめます。
上の製品は曲げることができず、直径も23mmと太いのが難点ですが、非常に細かく均一な泡が出ますので、水草や流木の後ろに隠して使用すれば綺麗なエアカーテンになります。
このシリーズのエアーストーンはいろいろな大きさや長さのものが販売されていますので、自分の水槽の大きさに合わせて選択すると良いと思います。
酸素消費の多い大型魚や古代魚など
大型魚や古代魚の場合は酸素を多く消費します。
また、餌をたくさん食べてフンもたくさんしますし、食い散らかした餌も多く残るので、濾過装置に大量のろ材を入れて飼育することが多いと思います。
ろ材に住み着いているバクテリアも酸素を消費しますので、エアレーションは非常に重要になります。
大きな水槽であれば横長タイプの大きなエアーストーンを用いて強力にエアレーションを行うのも良いでしょう。
細かい泡を出すセラミックストーンです。
水槽のエアカーテンとしても楽しめます!。
直径23×長さ470mmです。
より大きなエアーストーンを使用する場合や、複数のエアーストーンを一台のエアーポンプで使用したい場合などは、下の製品のような強力なエアーポンプがおすすめです。
電磁式の省エネ型エアーポンプです。浄化槽や工業などにも使用される本格仕様で、1分間に約40Lの強力な風量を持ちます。(参考:60cm水槽に適合する風量は約2.5L/分)
このような製品は大型水槽用であり、小型水槽などでは勢いが強すぎて使用できませんので注意してください。
魚の大きさによってはエアレーションが強すぎるとストレスになりますので、魚の泳ぐ様子などを観察しながら調整すると良いと思います。
また、上部式フィルターを使用している場合はそちらからも酸素が供給されますし、オーバフローフィルターを使用している場合は濾過槽内でエアレーションを行うことも可能です。
まとめ
エアーストーンの種類には、小型の局所タイプのものや、横長タイプ、エアカーテンやオブジェ型など、様々な種類があります。
エアレーションを行う場合は、自分の水槽の環境や飼育する生体に合わせてエアーストーンを選択するようにしましょう。
メダカなどの水流が苦手な魚の場合は、水槽全体に強い水流が発生しないように局所タイプのエアーストーンがおすすめです。
小型水槽で横長タイプやエアカーテンを使用する場合は水流が強くなりすぎないようにエアーポンプの吐出量を調整するようにしましょう。
見た目重視のレイアウト水槽では小さめのエアーストーンを使用して水草や流木の後ろに隠したり、目立ちにくい黒のエアーチューブを使用するのがおすすめです。
細かい泡のエアカーテンを使用して雰囲気を演出するのも良いでしょう。
大型魚や古代魚の場合は酸素を多く消費しますので、横長タイプの大き目のエアーストーンがおすすめです。
大きな水槽の場合は吐出量の多いエアーポンプが必要になる場合もあります。
エアレーションを行う際には、飼育する生体に合わせてエアーストーンやエアカーテンなどを設置し、魚が泳ぐ様子を良く観察して、自分の水槽に合った適切なエアレーションが行えるようにしましょう。
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