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フィルター・濾過装置

上部式フィルターの特徴とデメリットを解説!!おすすめも紹介!!

上部式フィルターの特徴とデメリットを解説!!おすすめも紹介!!

フィルター・濾過装置の種類には、外部式フィルター、上部式フィルター、底面式フィルター、外掛け式フィルター、投げ込み式フィルター、スポンジフィルター、オーバーフローフィルターなどがあります。

それぞれ特徴や欠点が異なりますので、設置する際には自分の水槽に合ったものを選ぶ必要があります。

ここでは、フィルター・濾過装置の一種である上部式フィルターについて詳細に解説していきます。




上部式フィルターとは

上部式フィルターとは、フィルター・濾過装置の一種であり、上部フィルターと呼ばれることもあります。

上部式フィルターは水槽の上に濾過槽を設置し、電動ポンプで水槽の水を水槽上部の濾過槽に組み上げ、濾過槽内のろ材を通して排水パイプから水槽へ落水させ、水を循環させます。

上部フィルターとは

上部式フィルターのメリット

上部式フィルターのメリットは以下の通りです。

メリット① 物理濾過能力が高い

上部式フィルターは、物理濾過能力が非常に高く、ろ材としてウールマット等を入れておけば、水中のフンやごみを効率的にキャッチしてくれます。

なので、大きめの金魚や大型魚などの、フンや餌の食い散らかしが多い魚の飼育には非常に適しています。

下の画像は、金魚水槽に設置している上部フィルターの濾過槽ですが、1か月もするとウールマットが黒くなっていきます。

上部式フィルターは物理濾過能力が高い

このように、水中のごみを取り除くことによって水が透明になり、水槽の見た目も良くなります。

メリット② 十分な生物濾過能力がある

上部式フィルターは、外部式フィルターには劣りますが、濾過槽に多くのろ材を入れることが可能です。

そのため、過密飼育などでなければアンモニアや亜硝酸が検出されたりなどの濾過能力不足の問題は通常発生しません。

ろ材としては、ウールマットやハードマットがよく使用されます。

マット類だけでなく、多孔質物質のボール状ろ材やリングろ材などの生物濾過能力の高いろ材を使用するとより強力に濾過が行われます。

上部式フィルターには十分な量のろ材が入る

パッケージなし エーハイムサブストラット プロ レギュラー 1L
性能の高さと耐久性に定評のあるエーハイム製の高性能ろ材です。
1Lあたり約450平方メートルもの広い表面積と適切な直径の孔の多孔質ろ材であり、ろ過バクテリアのコロニー形成に最適の条件を備えています。

ボール状ろ材やリングろ材の上にウールマットを敷いて物理濾過をした後の水が流れるようにしておくと、より効率的な生物濾過が期待できます。

上部式フィルターにウールマットと多孔質ろ材で協力濾過

ウールマットやハードマットのみで使用する場合は水がマットにしみこむような感じで濾過が行われ、通常はマット類の下の部分しか浸水していない状態で使われることが多いです。

多孔質物質のボール状ろ材やリングろ材を使用する場合、ろ材全体が水に浸かった状態にしたい場合は、上部フィルターの落水部分にペットボトル容器を切って丸めたものを突っ込んでおくと水深を深くすることが可能です。

上部式フィルターの水深を深くして多孔質ろ材を使用する

また、下の商品のように濾過槽を追加で重ねて設置できる商品ではろ材がたくさん入るので、強力な濾過能力が期待できます。

GEX グランデカスタム600 60cm水槽用上部フィルター
観賞魚飼育屋内専用の上部フィルターです。
グランデカスタム600本体、グランデマット、クリーンバイオ-N、ウェット&ドライろ過槽のセットとなっています。

メリット③ メンテナンスが楽

上部式フィルターは水槽の上に設置するものであり、フタを開ければすぐにろ材がある構造なので、水槽内に手を入れたりせずに楽にろ材が取り出せます。

濾過槽に入れたウールマットはしばらく使用していると汚れてきて詰まっていき、濾過能力が低下していきますので、定期的に交換する必要があります。

ハードマットやボール状ろ材、リングろ材などは、ウールマットを使用していればほとんど汚れないので、飼育環境によって異なりますが、半年に一度程度は飼育水かカルキ抜きをした水ですすぎ洗いをするなどして汚れを落とす必要があります。

上部フィルターであれば、この作業は非常に楽に行うことができます。

上部式フィルターのろ材は定期的に洗浄する必要がある

濾過槽に溜まったごみの掃除も半年に一度程度は行ったほうがよいです。

上部フィルターを水槽から外して濾過槽を丸洗いしてしまえばきれいになりますが、面倒であれば水換え用ポンプやスポイトなどでごみを吸い出すだけでも大丈夫です。

流量低下などが感じられる場合はポンプ内のインペラー部が汚れている場合が多いので、取り外して洗浄すれば回復することが多いです。

水換え用ポンプやスポイトで上部フィルターの濾過槽を掃除する

メリット④ 値段が安い

上部式フィルターは濾過性能の割には値段が安いです。

45cmや60cm水槽用では2000円台からと、安いものも販売されており、90cm水槽などの大きい水槽用でも8000円程度となっています。

上部式フィルター
各メーカーより様々な上部式フィルターが販売されています。

メリット⑤ 酸素供給能力が高い

上部式フィルターは、水がろ材の上のレールを通ったり、ろ材の中を通りながら濾過槽に落ちたり、排水パイプから水槽に落水する過程で空気と触れ合うため、酸素が良く溶け込んだ水が水槽内に供給されます。

水槽内の水も良く循環し、水槽全体に酸素がいきわたるので、水深の深い大型水槽や超過密飼育などでなければエアーポンプによるエアレーションはなくても大丈夫なことが多いです。

また、濾過槽内でも酸素に富んだ水が供給されることにより、バクテリアが活性化して濾過能力が上がるともいわれています。

上部式フィルターのデメリット

上部式フィルターのデメリットは以下の通りです。

デメリット① 水が流れる音がする

上部式フィルターは、水が流れる音がする製品が多いです。

外部式フィルターなどのように無音であることはほとんどないため、寝室やリビングなどの静かにしておきたい場所に設置したい場合はほかのフィルターや濾過装置にしたほうが良いと思います。

水が流れる音の感じ方は人それぞれで、心地よいと感じる人もいるのでその場合は大丈夫ですが、ダメな場合は生活に支障が出ることもあるので慎重に選びましょう。

特に水槽からくみ上げた水をろ材の上のレールに放出するところや、水槽に落水するところなどで水が叩かれてパシャパシャと音がします。

レール上に薄くスライスしたスポンジを敷いたり、レールへの放出口にネットをかぶせたり、レールに何か物を置いて水の流れを変えるだけでも音がかなり小さくなる場合があるので、いろいろと工夫をしてみると良いでしょう。

上部式フィルターのうるさい音を改善して静かにする

また、排水パイプからの落水音については、空気の巻き込みを防止して静音化するパーツがついている商品もあります。

デメリット② 二酸化炭素添加の水草水槽には不向き

水草水槽の場合、水草の成長を促すために二酸化炭素を添加して水中に溶け込ませている場合があります。

その状態で上部フィルターを使用すると、せっかく溶けた二酸化炭素が上部フィルター内を通る過程や落水時に抜けてしまい、効果がなくなってしまいます。

二酸化炭素を使用した水草水槽の場合は、密閉空間内で空気に触れずに濾過ができる外部式フィルターを用いるのが良いです。

二酸化炭素を添加していない水槽では問題なく使用できます。

デメリット③ 排水口付近の水流が強め

上部式フィルターは排水口付近の水流が強めの製品が多いです。

メダカやベタ、グラミーなど、強い水流を嫌う魚の場合は注意が必要です。

水槽の一部の水流が強いというだけであればメダカなどでも大きな問題がなく飼育できることが多いので、上部式フィルターがメダカ水槽などで絶対に使用できないというわけではありませんが、気になるようであれば他のフィルターや濾過装置を使用したほうが良いでしょう。

強い水流を嫌う魚の水槽で使用する場合は排水口を壁に向けて水流を抑えるなどの工夫をするのが良いと思います。

デメリット④ オールガラス水槽には使用できない

上部式フィルターは、基本的にオールガラス水槽(フレームレス)水槽には使用できません。

フレームのない水槽に上部式フィルターを載せるとフィルターを伝って水が水槽外に漏れる伝い漏れが発生したり、安定した状態で設置できないことにより水槽から外れることがあります。

これについてはフタ受けを使用することにより、安定した状態で上部フィルターを設置できる場合がありますが、推奨はされません。

フレームのないフレームレス水槽は、フレームありの水槽と比較して強度が低いとされており、上部式フィルターを設置するとその重量により水槽に負担がかかります。

すぐさま水槽が壊れるということはないと思いますが、水槽の寿命を縮める可能性があります。

私は何度かフタ受けを付けたフレームレス水槽に上部フィルターを使用したことがあり、その時には水槽が壊れたり伝い漏れが発生したりした経験はないですが、このような水槽を用いる場合はほかのフィルターや濾過装置を使用したほうが無難です。

オールガラス水槽やフレームレス水槽に上部式フィルターを設置してはいけない

デメリット⑤ 水槽上部の一部が塞がれる

上部式フィルターは水槽の上部に設置し、基本的には外すことがないと思います。

そのため、水槽の一部を常に覆っているので、魚を上から見たい時などはその部分は見えませんし、奥行が小さい水槽では水槽のメンテナンスがやりづらくなります。

上部式フィルターは10cmから15cm程度の幅は占領しますので、自分の水槽の奥行のサイズを考えて、観賞やメンテナンスの面でも問題なく設置ができるかどうかを事前に確かめておく必要があります。

デメリット⑥ 小型水槽用の製品が少ない

上部式フィルターは、物理濾過が非常に優秀であり、メンテナンスも非常に楽なので、小型水槽にも使用したいと思う方は多いと思いますが、小さな水槽向けの商品は充実していないのが現状です。

幅30cm未満の水槽用の上部式フィルターは市販されておらず、幅35cm以下の水槽用の上部式フィルターは下記の「水作 エイトブリッジ フリー S」という製品しか選択肢がありません。

この製品は水作エイトコアSのろ材を使用する製品であり、ボール状ろ材やリングろ材など、自分の好きなろ材を追加で入れることも可能なので濾過能力も高いです。

上部式フィルターとしては特殊な製品ですが、良い製品だと思います。

水作 エイトブリッジ フリー S
水作エイトで培った生物濾過の技術を取り入れた新しいタイプの上部式フィルターです。

デメリット⑦ アクリル水槽に対応した製品が少ない

アクリル水槽には通常水槽上部にフランジやリブと呼ばれるものがついており、水槽の縁の1周をアクリル板で囲むように補強を入れる加工がなされています。

アクリル水槽には通常フランジがある

上部式フィルターは、このフランジやリブと干渉して設置できない製品が多いです。

また、センターフランジがある場合は上部式フィルターの底の出っ張った部分とぶつかってしまって全体が持ち上がってしまい、そのままでは設定できない製品が多いので注意が必要です。

上部式フィルターはセンターフランジのあるアクリル水槽には設置できない場合が多い

上部式フィルターはアクリル水槽に対応した商品が少ない

ポンプが比較的内側にあるニッソーの「スライドプラスフィルター」という製品は、アクリル水槽にもセンターフランジがない場合は無加工で設置できることが多いです。

アクリル水槽にも設置できる上部式フィルター「スライドプラスフィルター」

フランジ幅や水槽の幅、水槽の壁厚によっては設置できない場合もあるので注意が必要です。

不安であればアクリル水槽対応の上部式フィルターを作成している業者もあるので、そういった所に問い合わせてみると良いと思います。

ニッソー スライドプラスフィルター 600
60cmフレーム水槽用上部フィルターです。
水中ローター式のポンプを採用し、気になる作動音が大幅に軽減しています。

上部式フィルターはどのような水槽に向いている?

上部式フィルターは十分な生物濾過能力があり、特に物理濾過能力に優れているので、熱帯魚や日淡水槽など、幅広く使用することができますが、特にフンの多い金魚や中・大型魚、餌を食い散らかす古代魚などにも向いています。

また、酸素供給能力も高いため酸素を多く消費する大型の金魚などの様々な大型魚も安心して飼うことができます。

一般的に水を汚すといわれている上記のような魚を飼育する場合は、メンテナンスが簡単な上部式フィルターを選択すると楽に飼育できると思います。

金魚をたくさん飼育する際なども上部式フィルターはおすすめです。

上部式フィルターは金魚水槽にも最適

小さなエビや稚魚、小さい魚などがいない場合は、ストレーナースポンジを付けずに使用するとフンやごみを効率的に吸い込み、濾過槽内のウールマットでしっかりとキャッチしてくれます。

日頃のメンテナンスもウールマットが汚れたら交換するだけなので簡単です。

小さなエビや稚魚、小さい魚などがいる場合は、吸い込まれるのを防止するためにストレーナースポンジをつけて使用したほうが良いです。

その場合はストレーナースポンジにごみが溜まるので、定期的に掃除が必要になります。

また、上部式フィルターでメダカやベタ、グラミーなどの強い水流を嫌う魚を飼育するのは工夫次第で不可能ではないですが、心配であれば他のフィルターや濾過装置を使用するのが良いでしょう。

寝室やリビングなど、水が流れる音が許容できない場所の場合は外部式フィルターなどの音が静かなものを選ぶのが良いです。

おすすめの上部式フィルター

一般的なガラス水槽で、幅60cmのフレーム水槽であればおすすめの上部式フィルターは「GEXのグランデカスタム600」です。

この製品は濾過槽を重ねて使用し、ろ材を多く入れることが可能です。

上段は水をしたたらせて空気に触れながら濾過するドライ濾過、下段では水に完全に浸かった状態で濾過するウェット濾過が行われるので濾過能力は非常に高いです。

上段のドライ層についてもウールマットの取り出しがしやすく、メンテナンスも容易なのでおすすめです。

GEX グランデカスタム600 60cm水槽用上部フィルター
観賞魚飼育屋内専用の上部フィルターです。
グランデカスタム600本体、グランデマット、クリーンバイオ-N、ウェット&ドライろ過槽のセットとなっています。

まとめ

上部式フィルターは水槽の上に濾過槽を設置し、電動ポンプで水槽の水を水槽上部の濾過槽に組み上げ、濾過槽内のろ材を通して排水パイプから水槽へ落水させ、水を循環させます。

上部式フィルターは十分な濾過能力があり、特に物理濾過能力は非常に高く、メンテナンスが楽であり、酸素供給能力も高く、値段も安いというメリットがあります。

ただし、上部式フィルターは水の流れる音がする製品が多く、気になるようであれば寝室やリビングへの設置はしないほうが無難です。

また、二酸化炭素が抜けてしまうので二酸化炭素添加を行っている水草水槽には向いておらず、水槽の上部の一部を占領するので奥行が小さい水槽ではメンテナンスなどがやりづらくなります。

排水口付近は水流が強くなるので、水流を嫌う魚の場合は排水口を壁に向けて水流を抑えたり、ほかのフィルターや濾過装置を使用したほうが良いでしょう。

また、オールガラス水槽(フレームレス水槽)には基本的には使用できず、アクリル水槽や30cm未満の水槽に対応した製品が少ないなどの難点もあります。

上部式フィルターは物理濾過能力が高く、日ごろのメンテナンスも簡単なので、フンが多い金魚や中・大型魚、餌を食い散らかす古代魚などにも適しています。

一般的に水を汚すといわれている上記のような魚を飼育する場合は、メンテナンスが簡単な上部式フィルターを選択すると楽に飼育できると思います。




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