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アクリル水槽の特徴や値段、寿命や注意点などを徹底解説!!

アクリル水槽の特徴や値段、寿命や注意点などを徹底解説!!

アクアリウムで使用する水槽には、大きく分けてガラス水槽、プラスチック水槽、アクリル水槽があります。

このページでは、そのうちのアクリル水槽について詳しく解説します。




アクリル水槽の特徴

アクリル水槽はその名の通りアクリルを用いて作られた水槽のことです。

アクリルの板を接着することにより製作するのが一般的です。

アクリル水槽の特徴は以下の通りです。

透明性が非常に高く観賞性に優れる

アクリル水槽は透明度が非常に高いです。

ガラス水槽よりも透明度は高く、水槽内が非常にきれいにクリアに見えます。

また、アクリル厚が増しても透明度は大きく変わりません。

私も初めてアクリル水槽を買ったときはその透明度の高さにびっくりしました。

その点から、アクリル水槽はインテリア水槽としても非常に有用であると思います。

アクリル水槽は透明度が高くインテリア水槽としても非常に有用

衝撃に強く割れにくい

アクリル水槽はある程度の衝撃にも強く、ガラス水槽のように簡単には割れません。

勢いよくぶつけたり落としたりすると、傷がついたり欠けたり割れたりすることはありますが、ガラス水槽のように破片が粉々に飛び散ったりはしません。

ですので、地震が多い日本ではガラス水槽よりもアクリル水槽のほうが安心して使用できますし、小さなお子様がいる世帯でも安全性の観点から好んで使用されています。

軽くて丈夫

アクリル水槽はガラス水槽と比較して非常に軽いです。

以下に水槽の大きさごとの重量の表を示しますが、アクリル水槽の重さはガラス水槽の1/2以下程度です。

水槽の種類 水槽の大きさ
幅×奥行×高さ
[cm]
ガラス水槽の
重量[kg]
アクリル水槽の
重量[kg]
水の量
[L] or [kg]
20cmキューブ 20×20×20 3 1 8
25cmキューブ 25×25×25 5 2 15
30cm規格 30×18×24 4 2 12
30cmワイド 30×24×24 5 2 17
30cmキューブ 30×30×30 6 3 27
45cm規格 45×24×30 7 3 32
45cmワイド 45×30×30 9 4 40
45cmキューブ 45×45×45 20 7 91
60cm規格 60×30×36 14 7 64
60cmワイド 60×45×45 24 10 121
60cmキューブ 60×60×60 50 20 216
90cm規格 90×45×45 40 15 182
120cm規格 120×45×45 60 20 243
180cm規格 180×60×60 50 648

ガラス水槽の場合、120cm規格水槽のような大きな水槽を一人で立ち上げるのは非常に大変ですが、アクリル水槽であればなんとか一人でも扱うことが可能です。

アクリル水槽は軽いだけでなく丈夫なので、大型水槽にもよく使用されています。

傷がつきやすい

アクリル水槽は透明度が高いですが、傷がつきやすいという欠点があります。

金属製のスクレーパーでこすったりすると傷がついてしまうので、コケ掃除はメラミンスポンジなどを用いてする必要があります。

貝の卵も除去が大変なので、石巻貝などの落としにくい卵を産むような貝類の飼育には向きません。

また、壁面の苔を歯で削り取るように食べるプレコなども、壁面が傷ついて白く曇ったようになってしまうため、飼育は非推奨です。

オトシンクルスについては歯がないので問題なく飼育可能です。

アクリル水槽は傷付き安いので歯のあるプレコや卵の除去が大変な貝の飼育はNG

経年劣化によるクラックや曇りが生じる

アクリル水槽はしばらく使用しているとアクリル板にクラックが生じることがあります。

クラックはアクリル板の表面部分に生じる細かいひび割れです。

表面だけなので私もそこからの水漏れは経験をしたことがないですが、初めてこのクラックを見る方は不安に思う方が多いようです。

私の環境では、このクラックは水槽の辺縁の上部に生じることが多く、水が入っている部分には発生していないので観賞面でも大きな問題にはなっていません。

アクリル水槽に生じるクラック

また、アクリル水槽は経年劣化で透明性が次第に失われていくといわれています。

しかし、私の環境ではアクリル水槽を数年使用していても透明度の劣化は感じていませんし、曇りが生じた水槽は一つもありません。

傷がつくような使い方をしなければ大きな劣化はないように感じます。

曇りの原因は細かな傷や、後述しますが紫外線やアルコール消毒など、別の原因がある可能性があります。

紫外線やアルコールなどに弱い

アクリル水槽は紫外線が当たると劣化し、クラックが生じることがあります。

水槽用のライトなどは大きな問題はありませんが、直射日光や爬虫類用の紫外線ライトの使用は避けたほうが無難です。

また、アクリル水槽の消毒にアルコール製剤を使用してしまうと、曇りが生じる場合があります。

消毒洗浄には塩素系漂白剤を使用したほうが良いです。

水圧で膨らむことがある

アクリルはある程度柔軟性がある材質ですので、水深が深い水槽では水圧で壁面が膨らむことがあります。

深さや水槽の大きさに対して壁厚が薄すぎると水を入れたときに明らかに膨らんでいるのがわかる状態になります。

ただし、通常水槽として販売されているアクリル水槽であれば、後述のフランジによる補強がなされているものがほとんどであり、最低限の壁厚はあるはずなので膨らみもそれほど大きくなく、崩壊の恐れなどもないです。

壁厚が薄いほうが安いのでそちらを選びがちではありますが、膨らみが強いと水槽内の一部がわずかに歪んで見えることもありますので注意が必要です。

壁厚は厚いほど強度が高く、膨らみもなくなるので、特に大型水槽では壁厚は厚いほうが良いです。

アクリル水槽の値段

アクリル水槽はガラス水槽などと比較しても非常に高価です。

30cm以下の水槽でも5000円から1万円程度はしますし、60cm規格水槽では1万4000円程度からになります。

60cmワイド水槽では2万3000円程度、120cm規格水槽では5万円程度からと非常に高価です。

また、アクリル壁厚が厚くなるほど強度が増しますが、それに比例して価格も高くなります。

さらに、後述のアクリル板の接着方法によっても値段が大きく異なるので注意が必要です。


アクリル水槽
各メーカより様々なアクリル水槽が販売されています。

アクリル水槽の寿命

アクリル水槽の寿命は長く、最低でも5年以上であり、15年以上使えたりするものもあります。

ガラス水槽と同様に、アクリル板の接着部に剥離や亀裂が発生し、水が漏れると使用不能になります。

ただし、水槽の大きさや水深に応じた適切な壁厚の水槽であれば、接着方法の種類や構造によらず水漏れはそうそう起こらないと思います。

私もアクリル水槽を多数使用してきましたが、10年程度使っている水槽でも、多少のクラックはありますが水漏れはしたことがないです。

定期的に水槽の接着部付近を点検し、水漏れが発生する前に5年から10年に1度は水槽を新しいものに交換するのが理想です。

アクリル水槽の構造①:溶剤接着と重合接着

アクリル水槽はアクリル板をつなぎ合わせて作成されていますが、その接着方法には溶剤接着と重合接着の2種類があります。

溶剤接着

溶剤接着は市販のアクリル水槽ではよく使われる接着方法です。

接着部分にアクリルを溶かす薬品(アクリル溶剤)を塗って互いのアクリル板を接着します。

アクリル水槽の接着方法の一つである溶剤接着

この方法は一般的なアクリル板工作においても使用される方法で、アクリル溶剤も市販されています。

溶剤接着はコストが安く、簡単な接着方法でありながらある程度の強度があります。

しかし、接着面付近にクラックや気泡が入ることがあり、経年劣化で剥離が起きることもあります。

とはいえ、接着の強度は十分であり、私が使用しているアクリル水槽もほとんどが溶剤接着のものですが、今まで使用してきて一度も水漏れは経験がありません。

10年近く使用しているものでもまだ大丈夫かなという感じです。

重合接着

重合接着とは、アクリル板の接着部分にアクリルモノマーを流し入れ、接着する方法です。

モノマーとは単分子のことで、結合前のアクリルの分子の状態になっています。

この状態で重合開始剤を使用したり熱処理をすることによってモノマー(単分子)同士が結合してポリマー(重合体)になり、固まります。

この製法は非常に接着強度が高く、美しく仕上げることができます。

ですので超大型水槽や水族館の水槽などでは重合接着がよく用いられています。

強度を求めるなら重合接着ですが、この接着方法は重合させる際の温度や湿度の管理など、高い技術や製作時間が必要になるものですのでコストは高く、重合接着でアクリル水槽を製作するとどうしても値段は高くなります。

アクリル水槽の構造②:フランジ加工と天板くり抜き加工

アクリルは柔軟性のある材質ですので、ほとんどのアクリル水槽ではフランジ加工により補強が行われています。

フランジ

フランジとは、水槽の縁の1周をアクリル板で囲むように補強を入れる加工のことです。

フランジはリブと呼ばれることもあります。

フランジで補強されたアクリル水槽

これにより水圧でアクリル板が外側に膨らむのを防ぐことができ、強度も強くなります。

この加工はほとんどのアクリル水槽に施されており、補強効果だけでなく、地震時の水こぼれの防止やフタがのせやすいなどのメリットがあります。

センターフランジ

センターフランジは、水槽の縁一周だけのフランジでは強度が足りない場合の補強であり、中型から大型水槽では採用されることが多いです。

水槽の中央の奥行方向に数センチから12cm程度のアクリル板で橋渡しをするように補強します。

このセンターフランジはセンターリブと呼ばれることもあります。

センターフランジで補強されたアクリル水槽

120cm水槽以上では、さらに強度を上げるために複数のセンターフランジを使用する場合もあります。

大きな流木など、大型のレイアウト用品を入れたい場合、センターフランジが邪魔で入らないこともありますので、購入前に水槽の開口部の大きさを確認しましょう。

また、フランジやセンターフランジが干渉して市販の上部フィルターが設置できない場合もありますので、上部フィルターの設計をよく確認して購入するか、アクリル水槽用に作られた上部フィルターを選ぶ必要があります。

天板くり抜き加工

天板くり抜き加工は、天板落とし込み加工とも呼ばれ、一枚のアクリル板をくりぬいてフランジのような形を作り、補強する方法です。

この方法ではフランジよりも強度が高く、フランジ上のつなぎ目がないので見た目もきれいです。

つなぎ目がなくおしゃれな天板くり抜き加工のアクリル水槽

ただし、水槽の補強のために1枚のアクリル板を余計に使うため、値段は高めになります。

アクリル水槽の構造③:フランジ穴あけ加工

アクリル水槽の場合、フランジに穴あけ加工をして、そこに配管を通すこともできます。

特に外部フィルターを使用する場合はパイプを通せるので便利です。

強度に問題が出ない程度に、水槽の左右の後方に2つから3つの穴をあけることが多いです。

アクリル水槽のフランジに穴あけ加工をして配管を通すことが可能

市販のアクリル水槽ではあらかじめ穴が開いていることが多いですが、オーダーメードでフランジに穴をあけてもらう際は、配管やヒーターなどを通すのに必要な穴の直径や個数を事前に調べるようにしましょう。

まとめ

アクリル水槽について簡単にまとめると以下の表の通りになります。

アクリル水槽の特徴や値段、寿命、構造の詳細まとめ

アクリル水槽はいろいろなタイプのものが販売されていますのが、基本的には丈夫なので市販されているものから選べば大きな問題はありません。

こだわりがあればオーダーメードで作成依頼することも可能です。

アクリル水槽を購入する前に、どのような水槽が良いか事前に考えてから購入すると良いと思います。


アクリル水槽
各メーカより様々なアクリル水槽が販売されています。




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